↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
77/107

てんやわんやな神の箱庭3

「伝説になった勇者がここにいるのか…」


 誰も喋らない部屋でリデルの声だけが聞こえた。マドック、いやアーデルは仏頂面でその言葉を否定する。


「正式には元勇者だ。俺はもう勇者じゃない。」


 その言葉にリデルはムキになって反論する。


「貴方がした事は充分に勇者として相応しい筈です。例えその後にどんな事があろうともそれを否定する事はあり得ません」


「私もそう言ってるけど聞いてくれないんだよ。リデルの言い分は正しいのにな」


「国を助けて国を滅ぼした英雄なんぞ勇者じゃない。ただの荒くれ者さ…」


 そう言ってお茶を煽るアーデル。

 リデル他13隊の誰もが悔しがっている。そうだよね。

 悪いのは国の上層部だけだったんだよね。

 でもそいつらを皆殺しにしたら国が滅ぶんだからどうしようもないね。


「俺の話はそこまでだ。それよりもっと重要な事があるんだか…」


 アーデルもといマドックは私の方を見ているが皆はマドックと俺の隣にいる人を見ている。

 美人さんだからね。仕方ない。


「アーデルが話す気が無いようなので私から話しましょうか?ベルの養母でありアーデルの妻のラシャンと申します」


 そう言って皆を見渡す。

 皆はその視線に耐えきれず自ら目を離していく…恐ろしい。


「ベルとアーデルは後で強制訓練ですね。二人とも下界での訓練を怠っているようですしいい機会です」


 私とマドックの運命は決まってしまったらしい。誰か道連れを作らないと…


「すいません。質問をよろしいでしょうか?」


 ギルベルトさんが果敢にもラシャンに話しかける。

 ラシャンは頷くとそれを許したようだ。ギルベルトさんはラシャンに直球で聞く。


「ラシャン様は識天使様と紹介されたのですが何故お名前が地上では使われないのでしょうか?」


 …確かにそうなんだよね。

 この世界の神にされている天使達は実は名前を持っている。

 しかし少なくとも人の世界では広まっていない。何でだろう?


「いい質問です。知識は人が生きていくうえでどうしても必要なものですから。答えは【我々が教えたくない】ただそれだけです。


 傲慢にも聞こえるが実は私もそれを感じていた。

 言霊や呪いなど名前が必要な事が存外に多いこの世界では実名はかなり大事だ。

 だから私も仮の名前としてベルを使っている。


「成る程、分かりました。人にとって神の名は必要無いし知る必要も無いという事ですね」


 ギルベルトが確信をついた答えを口にする。

 ラシャンは何も答えずにただ微笑んでいるだけだ。


「それでは質問はありませんね。では私の挨拶はここまでです」


 そう言うとラシャンはスッと消えて居なくなる。

 魔力の動きさえ感じられない移動だ。







「ふぃぃ、凄い圧力だったな。流石は神だ。力の次元方違う」


 椅子にもたれかかりだらしなくなるバフマン。

 皆も同様のようで一気に気が抜けたのが自分にも分かる。

 しかしそうなると…ここからは殆ど自分への質問か。


「息子よ。母親がいるならいると言ってくれ」


「言ったら来ない人に知らせる必要は感じません」


 私の返答に苦い顔をするマドック。


「なんで神様と元勇者がお前の親になるんだよ?」


 リデルが分からないと言った感じで自分に聞いてくる前に考えた返答をそのまま言うとしよう。


「それは親がいないと要らないちょっかいを掛けられるのを防ぐ為ね。養子にしようとか家族の番にしようとか面倒だし」


 私が答えるとリデルが変な顔でこちらをみている?何だろう。


「その声にその口調だと完全に女性じゃないか。何か違和感があってな」


「失礼な。今の私の体は完全に女ですよ。メリナさんも知ってますし」


 私がそう言うとメリナさんが顔を真っ赤にして肯定してくれる。

 それを聞いた公爵が何かを思い出そうとしているが気にしてはいけないよ?


「はぁぁぁぁああ⁈お前女だったのかよ!」


 リデルが完全に地を出して話している。駄目だなぁ。

 辺境伯の息子なのに。


「男であり女でもあるが正しいかな?その辺はそちらの想像に任せるよ」


 私は出来るだけはぐらかすように話している。

 しかしギルツは気づいたようで忙しなくなる。

 そしてその原因が今まさに噴火しようとしていた。


「…ちょっと待ってもらおうか?ベル殿、貴方は確か…うちの嫁と娘と一緒に風呂に入ったと聞いているのだが…」


 …あぁ。やっぱり気がついたか。

 この話だけは避けたかったんだけどな…周りの皆は愕然としてるし、メリナとクリステラは顔が真っ赤だ。

 私は平静を装いながら話をする。


「えぇ。そうですね。貴方のご家庭の方々に無理矢理入れられたと記憶してますね」


 私の言葉に公爵は青筋を立てながら話を続ける…怖いよぉ〜


「それは貴方が男だと知らなかったから入ったのではないかね?些か不用心のような気がするが…」


 入ったのは本当なのでそこは言い訳が出来ない。

 でもね、こういう言い方もあるしな。


「えぇそうですね。私が男の身体も持っていると知って入られては私としては了解を得たと勘違いをしまして。失礼しましたわ」


 私のの言葉に公爵は顔が真っ赤になる…あ、切れた。


「そのような不埒な事あるとは思えませんが‼︎‼︎」


 公爵の気合いで周りが大変だ。さて、どうやって収めよう?







読んで頂きありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。