てんやわんやな説教回2
空間が魔力によって閉じられる。公爵やマルガス公国の人間はかなり驚いている。マドックは冷静だな。
「さて、クリステラ。君は一体この国をどうしたいのかな?公爵は何も知らないみたいじゃないか。本当に国を滅ぼしたいならそう言ってくれないと」
俺の言葉に愕然とする公爵。殆ど何も分からないままここに来たんだろうね。でもそれは公爵としてどうなのかな。
「申し訳ありません。すべて私の不徳とする所、この首を持って謝罪とさせてください」
あーあ考えるのを止めちゃったか。それをすると…ほら公爵が切れた。
「どう言う事だ!大体其奴は誰なんだ。この間来たベルとやらに似ているが近縁の者か?余りに不敬過ぎる!」
切れちゃった。クリステラは驚いているがこうなるのは火を見るより明らかだったよね。マイナスばっかりになってきた。
「何も知らず吠えるか。ラバール・シル・ドルティアよ。無知をひけらかすにしても時と場合によると思うが…よろしい。ならば《竜の代行者》として其方を断罪させて貰おう」
俺は[竜化]をしてマルガス公国の王宮に現れた姿で公爵と相対する。公爵も気づいたみたいだが遅すぎたな。
「な、だ、代行者様?…これは一体…」
どうやら此方も思考がストップしたようだ。仕方がない最後までしますか。
「さて、色々言ってくれてありがとう。公爵。これで心置きなくこの国に対して敵対出来そうだ。感謝する」
俺の言葉に漸く頭が追いついたのだろう。偽物なら良かったのだが生憎本物だ。その本物にあそこまで言ったのだ。さて、どうやって纏める?
「竜の代行者殿この事は何処までの人が知っておられるのですかな?」
公爵の目が変わった。これが貴族の血か。見せて貰おう。
「ここにいるもので全てだな。クリステラが私の正体に気づいてここまで来たんだ。その結果がこれだ。」
俺の言葉で全てを悟ったのであろう。公爵は娘に笑みを浮かべこちらを向く。
「我が娘が貴方を脅迫しに部屋まで来たと取れますな。これだけの事、私の関与も考えているのでしょう」
正解。立場が上の人にこんな事知ってますよと言ったら脅迫に取られからないよね。それが特に知る人がいない事なら。
「分かりました。我が首を持って謝罪を。クリステラは我がドルティア家より廃嫡、この程度でよろしいでしょうか?」
「足りんな。そこのメイドとギルツが残っている。知らないものを無理に知らされた彼等には悪いがこの二人も同罪だな」
俺の言葉にギルツは口を噛みしめるが何も言わない。メリナは頭を下げてその判断を受け入れている。クリステラは既に蒼白を通り越して白い…
「分かりました。フォーベイン家には後でギルツ殿と私の首がいることだけを連絡させてもらいます。メリナは儂とともに来るがよい」
ギルツは頷き、メリナも同様だ。クリステラだけが現実を受け入れられない。ただ口を挟まない程度の理性は残っているようだ。
「分かったか?クリステラ。お前の浅慮でこれだけの人が被害に遭う、この恐ろしさを」
俺はクリステラの前まで行く。クリステラは目に涙を浮かべながらも俺の目を見返す。漸く現実を受け入れたようだ。そして自分は
「こうなる可能性があるんだから本当に気を付けてよね、クリステラ」
笑顔で説教を終える。マドック以外の人は魂を抜かれたようになっている。マドックはお茶を全員分入れ始める。
「…………………え⁈」
クリステラが何が起こったのかまだ分からないみたいだ。公爵はこちらを見て頭を下げている。ギルツは…肩を落としている。かなり効いたみたいだ。メリナは驚いてはいたが今はマドックを手伝いお茶を入れている。自分はフォルディルとオモチをモフモフモフモフしている…癒される。
「え?冗談だったのですか?ベル?」
まだちゃんとは戻っていないクリステラにオモチを預け話をする。
「いや?本気だったよ?あれは本当に起こりうる事だからね」
メリナからお茶を貰い飲みながら返答する。いいお茶持ってんなマドック。
「勘違いしてはいけないよクリステラ。もし自分が少しでも気が変わったらあれは起こりうる…要は現実にああなるんだから」
クリステラは自分の言葉を噛み締めて理解しようとしているようだ。公爵は自分の言葉に頷いている。元々公爵の役割だろうに…
「自分が言いたいのは身分や立場も大事だけどそれだけで判断していたらこうなるって事。君は公爵令嬢なんだからその辺は理解しないとこういう事になるよ」
お茶を飲み干すとメリナが横に来てお代わりを入れてくれる。喋り過ぎて喉がカラカラだありがたい。
「ベル殿、娘にご教授感謝致す」
公爵が頭を下げて来る。自分はジト目で公爵を見る。
「公爵がもう少し冷静だったらこんな茶番いらなかったんだけどね」
目をそらす公爵に愚痴る。
「ギルツもさ、もうちょっと貴族なんだから上手くしてよ。何で巻き添え食らってるの?」
ギルツをジト目で見るとこれまた目を逸らされる。こいつらは…
「一番良かったのはメリナさんだね。態と口を出して自分の首で終わらせようとしてたし、ただ公爵への報告が出来なかったようだけど公爵が聞く耳持たなかったんだろうね」
自分の言葉にカーテシーをするメリナさん。実は分かってやってたんじゃないだろうな?
「そういう事で自分が竜の代行者である事は誰にも口外しないでください。した場合はああなります。もっと酷いかな?」
こうして自分のクリステラに対する説教は終わった。
こんな感じにまとまりました。おかしいと思うかもしれませんが自分にはここまでが精一杯です。許してください。




