てんやわんやな卵達
無課金プレイの俺は異世界にいってもチートとは程遠い存在だった。それなら地味に生きて行くしか無いな〜異世界で細々と生きる無課金プレイヤー
という小説を投稿しました。こちらとは違いネタと話題の課金ゲームを取り入れた小説です。気になった方は是非お読みください。
マスタークラスの相手との実戦。正直今の自分には荷が重すぎる。魔法が使えたなら多少はいい勝負になりそうだが魔力は既に空っぽだ。[竜化]の分さえ怪しい所だ。
「オラオラどうした?もうスタミナ切れか?若いのになってないな!」
大剣の魔剣が轟音を靡かせ自分に襲い掛かる。今は時間を稼ぐしかなさそうだ。出来るだけ相手の剣を避ける。何度もあの魔剣を受けていては武器がいつまで持つか分からないからだ。
「自分より強い奴との戦いに慣れてやがる。お前負ける戦いを数こなしてるな?」
相手に段々とこちらの戦力を把握されていく。どうやら防御主体のこの状態もあまり長く持ちそうにないようだ。相手は自分との距離を多めに取り出した。どうやら本気で攻撃してくるつもりだ。
「まぁまぁ楽しかったぞ坊主。」
相手が一瞬にしてこちらとの距離を詰めるこのスピードを載せた一撃は流石に不味い。
「[百花繚乱]乱れ咲け!」
スキルの花が乱れ咲き、咲いた花が徐々に散っていく。長くは持たない!
[完全制御]により[高速思考][剣聖][縮地 ][覇気]
の同時発動。全てノ能力ヲツカうたメに余力ガ無くナル。何処まデもツのか分からナい。
縮地にテ敵の攻撃ヲ避け覇気を乗セた剣聖スキルの(双狼牙)の同時上下攻撃で敵を斬ル。流石に相手モ此方の動きが急に変わっタ為無傷ではいラレず左手に深手を負う。コチらも敵の攻撃を躱せず左肩を負傷しテいる。
「くっそが!なんだその動き。どんなことすればそんな状態で動けるんだ?」
…[百花繚乱]が散ってしまったようだ。こちらも同時発動が終わる。こりゃ負けた。
「どうやら動かないか?まぁあんだけ無茶すりゃそうなるか…じゃあな。」
片手で大剣を振るい俺の首を撥ねようとする。体は満足に動かない。スキルは百花繚乱が冷却中。最後の切り札を使う時か…
「よっしゃあ‼︎」
声と共に壁が吹き飛ぶ。壁の破片で自分は吹き飛び、相手の魔剣使いも態勢を崩す。砂埃の中から巨大な鉄槌と共に大公が飛び出してくる!味方を巻き込んで攻撃するとは…
「新手か⁈」
魔剣使いは片手で応戦するが大公の鉄槌捌きも尋常ではなく防戦一方に追い込まれている。どでかく空いた穴からはトリヴェスの咆哮が聞こえる。外がどうなっているのか考えるだけでも恐ろしい。
「あー流石にこれ以上は無理!撤退、撤退だ!」
魔剣使いが叫ぶと同時にこちらに何かを投げる。大公が鉄槌て撃ち落そうとするが鉄槌に当たった瞬間、黒い煙が沸き立つ。煙幕か!
「っち、勝負はお預けだ!大公様とローブの小僧。次はねえからな!」
遠ざかる声を聞きながらようやく助かった事を理解する。[アイテムボックス]に長剣を入れ自分で作った回復ポーションを取り出してかける。少しは回復したので良しとしよう。
「おぉ、竜の代行者殿無事であったか!中々の敵であったな。」
豪快に笑いながら肩に鉄槌を担ぐ大公に言いたい事は山ほどあるが助けてくれた事は事実なので黙っておくことにしよう。
『済まない、助かった。礼をいう。』
やはり納得出来ない所があるせいかぶっきらぼうな言い方になってしまう。大公と一緒に砦の外に向かうとクリステラとトリヴェスが一緒にやって来る。
「ご無事で何よりです。閣下」
クリステラは大公の無事を喜んでいる。トリヴェスは頭をこちらに寄せてくる。
『大丈夫か?我が主人。かなりの無茶をしたようだが…』
トリヴェスは自分の事を心配してくれているようだ。意外と気がきくドラゴンだ。
『無理はしたがこの子達を取り戻せた。それで良しとしよう。』
そう言った自分の両手の中には竜の卵が、大公には飛竜の卵を運んでもらっている。竜の卵は80cmぐらい。飛竜の卵は60cmぐらいと飛竜の卵の方が一回りは小さい。
『おぉ…無事であったか…良かった!』
卵の無事を確認出来てほっとしたのだろう。竜の卵と飛竜の卵を交互に舐めている。清潔を保つ為にするんだっけ?落ち着いたトリヴェスの背に乗り首都へと戻る事にする。帰りは安全運転で宜しくお願いします。
「世話になってしまったな。竜の代行者殿。此度の礼はどのようにすれば良かろうか?」
大公が帰り道の途中で聞いてくる。俺に言われてもな。トリヴェスの為に代行者として働いたがお詫びは竜種が受け取るべきだしな。
『今は卵の無事を喜べは良いだろう。竜種に詫びたければ彼等の好むものを持って来れば良かろう。』
分からないから投げ返しだ。後でトリヴェスに竜の好きなものを聞いておこう。
「それでは貴方にはどうすればよろしいのですか?」
大公の言葉にこちらも少し考えてしまう。別に褒美が欲しくてした訳じゃないしな。知り合いが不幸な目にあうのは避けたかっただけだ。しかし、それを言うわけにもいかない。
『我は竜種の頼みで動いただけ。竜種からの褒美は貰えども貴公らからは何も貰うつもりはない』
実際はトリヴェスをテイムしちゃったからそのお詫びとして竜種を助けたんだけどね。
「そ、そうですか…」
大公の残念そうな顔が気になるが今は一刻も早くこの子達を元の場所に戻してやりたいしね。
大公とクリステラを王城の庭園に下ろし、竜の島に向かってもらう。卵を抱えたまま俺は一眠りするとする…もう体も心も限界だ。一般人だった自分にこんなハードな1日はきつすぎる…
読んで頂きありがとうございます。




