てんやわんやな交渉役
ストームドラゴンことトリヴェスの話を聞き自分もマルガス公国の大公との会談についていくことを決める。こいつだけで行かせたらロクでも無い結末しか思い浮かばない。
「じゃあ自分も付いて行こう。ドラゴン語でしかアドバイスをしないから覚えておくように。あと念話は使えるよね?」
確認するとコクコクと頷く。面倒なのでアイテムボックスから神様が用意してくれていたローブを引き出し着替える。そういや竜化の所為で着ていた服がボロボロだな。後で新しい服が必要だ。
ここで待つように言うと一旦竜化を解き転移魔法で宿屋の部屋に戻る。フォルディルは今度こそお留守番だ。マドックを探しにいくと下の階で皆と会議をしていた。降りてきた俺を見るとギョっとした顔で急いで自分を連れて上がる。仕方がないのでまた自分の部屋に逆戻りだ。
「何でここから帰ってくんだよ⁈ドラゴンの所行ったんじゃないのか?取り敢えずあったことを話せ!今すぐだ!」
お父さん力入れすぎると倒れちゃいますよ?仕方がないのであったことを話す。これから王宮にいくこともだ。
「人生波乱万丈過ぎるだろう。取り敢えず竜化をしてみろ。」
変な事を言われるなと思いつつ竜化をする。自分の周りを回りながらマドックは何か考えながら自分を見ている。
「その服と竜化ならお前とはバレそうにないな。人間なのに竜化出来る非常識な息子め。あとローブのフードはもう少し深めに被れ…そんな感じだな。あとこれを使え。」
マドックは空中から一本の杖を取り出す。魔力を感じる杖だかなりの物だと素人目にも分かる。
「俺の知り合いが使っていた杖だ。由緒ある物だからこれだけでも只者ではない事を証明出来る…必ず帰って来て返すんだぞ?」
マドックの思いやりに少しは感動してしまう。必ず返すと約束し、フォルディルを預けトリヴェスの元に帰る。
『おぉ、勇ましい姿になられましたな。では私の背にお乗りください。今から王宮へと向かいましょう。』
トリヴェスの背に乗りマルガス公国の王城にある王宮へと向かう。途中で幾度か竜騎士が来るがトリヴェスの戦闘する意思が無いと言う吠え声を聞いて周りを警戒するだけだ。王宮の中にある庭園に着地すると大公バルト自らが出迎えに来た。周りには竜騎士が一杯だ。
『マルガス公国の王よ!此度は汝らが不手際を断罪しに来た!』
トリヴェスが念話で宣言する。この場にいる皆に内容が伝わり動揺が走る!
「偉大なる嵐の竜よ。断罪とはどのような事かお教え願えぬか?」
バルトは敬いながらも此方に何があったのか聞こうとする。激昂するトリヴェスの首元に行き撫でてやると少しは落ち着いたのか自分に首を寄せて来る。もふもふもいいがツヤビカもこれはこれで有りだな。周りの人達はその様子を見て愕然とした様子で此方を見ている。竜人が竜を従わせているかのような態度なのだ。大公ですら驚きを隠せない。
『我が主人の気遣いにより貴様の問いに答えよう。飛竜生誕の儀に於いて龍脈を傷つけ我等が宝、竜の卵を強奪したものを引き渡してもらいに来た。今回飛竜の生誕の儀に来た人間は2人。早く此方へ寄越すのだ!』
んん?何時から自分はトリヴェスの主人になったのかな?その意味を含めて杖でトリヴェスの鱗を叩く。トリヴェスから念話で情けない声の報告を聞かされる。
「主人が私に勝った事により[テイム]が発動されております。本来なら効かないのですが私がテイムを受け入れたので現在は私は主人の物です。」
…聞かなけりゃ良かった。少しやっちまった感を漂わせ俯いてしまう。周囲の人は自分の事をどう見てるのやら…本当だ称号に嵐竜の主人というのがある。
「偉大なる嵐の竜よ。1人はこの竜騎士が1人クリステラだ。もう1人はエンドローと言い現在は消息が掴めておらぬ。クリステラは我等が調べ無罪だと主張出来る!エンドローを捉えるまで待っては頂けぬか?」
その言葉を聞いてトリヴェスは完全に切れてしまう。風が嵐を呼び嵐が城を包む!
「納得行かぬ!その女もその場にいたではないか!そのような言いぐさ我には納得できぬ。その者を許さぬものか!」
「待て!」
思わずドラゴン語で止めようとするがトリヴェスは怒りの余り止まらない。クリステラは目を瞑り全てを受け入れている。そんな結末は認めない!
空間跳躍でクリステラの前に転移し空間遮断の結界で止める。目を丸くするトリヴェスに向かい空間遮断の結界で檻を作り閉じ込める。
『俺は待てと言ったはずだ。言う事も聞けないのか?トリヴェスお前は俺の何なのだ?』
全開の魔力を込めたドラゴン語による咆哮は周りの者全てに影響が出てしたったようだ。トリヴェスが丸くなってプルプル震えるのは分かるが、他の全員が土下座状態なのは如何なものか?それにしても魔法がスムーズにかつ魔力があまり減らないで発動出来た。この杖やっぱり凄いな。
『ドラゴン語が分かる者はいるか?ここからは私が交渉するとしよう。』
やっぱりこうなったかと思いながら俺はこの土下座をどう止めようかと考えてしまうのであった。
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