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魔法使いと少女  作者: 徒然花
本編
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5/14

やっぱり迷惑?

やっと名前が出てきました(笑)

無理矢理に近いお願いで、弟子にしてもらってから5年。


おにーさんはアレッサンドロといい、あの時で20歳だったそうなので、今では25歳か。

名前を呼ぶのは恐れ多いかなぁって思って『師匠』って呼ぶと、すっごい嫌な顔された。だから『アル様』と呼んだら『まあ、いいだろう』とお許しが出た。『アレッサンドロ様』なんて、長ったらしくて呼びにくいからね。ちなみに私の名前はガーネットといいます。すっごく今更な自己紹介ですがね☆


私は掃除・洗濯・家事一般を全部こなして、それから薬草の勉強やなんやかんやを教えてもらっている。

そして時折、近くの村まで薬を卸しに行く。

でもすぐに道に迷う私のために、アル様はそこかしこに標識を立ててくれた。

おかげで今や、村にだけは迷うことなく往復できる。




「アル様~! 今日のお代です。それから、八百屋のマリリンからお野菜と、魚屋のサシェから新鮮なお魚、ああ、パン屋のコリントからパンをいただいてきました~!」


村の薬屋さんにアル様は薬を卸しているんだけど、私がお使いに行くと、いつもその帰りに誰かしらに引き留められて差し入れをいただいてくるのが日常。

アル様、とっても綺麗なお顔だけでなく、背もすらりと高く煌めく金髪。そんな素敵な容姿なもんだから、年頃の女の人にモッテモテなのよね。しかも、女の人だけじゃなくて、男の人にも……。あまりに素敵すぎるアル様だから、判らないわけでもないんだけどね、ちょ~っと私には早い世界だと思うので、深くは追及しないことにしてるわ。

今日のマリリンとサシェは女の人。で、コリントは……男の人です。

う~ん、師匠。イケナイ世界の住人なのかしら? いやいや触らぬ神に祟りなし!


「ん。ご苦労。今日の分だ」


私がちょっとイケナイことを妄想しているのは気付かれてないわよね? アル様は今受け取ったばかりの今日の薬のお代から、私の手当をくれた。

私は生活費を納めているわけではないから(平たく言えばただ飯食いよね☆)、「別にいいです」とお断りしているんだけど、それでも「これはお使いの駄賃だ」と言って少し分けてくれる。

だからありがたく頂戴して、せっせと貯金している。

ここから独り立ちするときの資金にしなくちゃね。




「アル様? 今夜はお魚にしますね~」

「ん」

「パンは明日の朝に食べましょうね~」

「ああ」


キッチンから私が声をかけるんだけど、アル様はダイニングテーブルのところで、薬草の本か何かわからないけど、何かぶっとい本を睨んだまま、生返事しかくれない。

長い脚を優雅に組んで、ゆったりと椅子に腰かけて難しそうな本を読むアル様の姿は、いつみても惚れ惚れしちゃうわ~。

でも、本から全然目を離してくれやしない。ちっともこっちを見てくれない。

最近いつもこんな感じで、アル様は不機嫌。まあそもそも愛想のいい人ではないんだけど。

私、何かしたかなぁ? って、そもそも居直り強盗みたいにして弟子入りしたんだけどね☆

私が思うに、アル様も25歳。そろそろ彼女(いや、奥さんか?)も欲しいお年頃。そんなところに私みたいなのがいたんじゃ、婚活どころか恋活もできないわよね。

せっかくいろんな方面から(!)モテモテなのに、申し訳ないわ。

だからきっとアル様は私のことが鬱陶しくなってきているんだわ。ああ、ホント、申し訳ない。

そんな私にできることと言えば、ちょっと寂しいけど、早く一人前になってここを出て行くこと。これに尽きる。


私はなお一層勉強に励むことにしたわ!




ごりごりごりごり……

薬草をすり潰す音が、部屋に響いている。

今、私はアル様のために胃薬を調合しているのだ。

弟子が作った薬を服用って、これってある意味人体実験だけど、何かあってもアル様は治癒魔法で自力で回復しちゃうから大丈夫なのだ! 

じゃあ薬とか要らないんじゃね? とか無粋なことは言わない!


「はい、できました」


出来上がったモノをアル様の前に置く。

見た目は緑色の液体。どろどろだと飲みにくいので、私は原液を漉して、さらりとした飲み口にアレンジしてみた。


「ん。……まあ、いいじゃないか? のどごしと味にお前なりのアレンジを加えたんだな。ミントが効いていてすっきりしていて効きそうだ。上出来だ」


アル様が、一口飲んで味わい、感想を述べてくれる。

そんなアル様の一挙一動をじっと見守る私。

目を閉じて胃薬をテイスティングしてる図って、シュールよね。いや、でもアル様に褒めてもらった!


「わあ! ありがとうございます!」

「ああ。他の薬も上達してるしな。これなら一人で調合しても大丈夫そうだな」

「ほんとに?」

「ああ。だがもっと精進は必要だぞ」

「はい!」


一応、アル様から認めてもらうことができたわ!


5話目にしてやっと名前が出てきました! やっと出せました?!

そしてガーネット、いろいろ妄想中です(^^)


今日もありがとうございました♪

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