恐怖! トリプル食い倒れ星人!
ランチタイム。
メニューは―――ラーメン。
ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞおぉぉぉ―――――ッ!(一坂)
ずるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる~~~~~(ミカン)
二人の食い倒れ星人が中華鍋みたいなデケエどんぶりから豪快に麺をすすり、トッピングの野菜炒めをガリガリ食削していく。
狭い四畳半に立ち込める殺伐とした熱気。
こんな光景を見せられたら普通はドン引き確実なのだが、
「ぬぬぬぬ………」
名取は初めての箸に苦戦中で、それどころではなかった。
「無理するな、名取」
見かねてフォークを差し出す詩織。
ちなみにミカンもフォークで食ってる。
「ありがとうございます立花さん。ですがもう少しだけや、ら、せ、て、ください……っ」
最後の部分がかなり力が入っていた。
「うあっ――……」
指をつった。
宇宙連合スペース警察所属、なんちゃらナイト―――敗北。
(あー、俺もやったやった)
一坂は軽く優越感に浸りつつ、おらあああ!、とどんぶりに顔を突っ込む。
観念した名取はフォークを受け取り、麺を口に運んだ。
「……美味すぎる」
愕然としていた。
「こんなに美味なものは食べたことがない。私も様々な星でご当地料理やB級グルメを口にしてきましたが、このらあめん以上はお目に掛かったことがありません……」
随分と高評価だった。
「立花さんは一流シェフなのですか?」
「女子高生だ」
「恐るべし、女子高生」
なにか勘違いしているような気がするが、とにかくお気に召したらしい。
そんなラーメン初心者が蓮華でスープを掬ったところで、一坂の目が目ざとく光った。
「ちっがーう! スープはそのまま飲むんじゃなくて、麺に十分に絡ませて一気にすすって、少なくなってきたところにご飯を投入して食べるのが通なんだよおおおおおっ!」
「別に好きに食べればいいだろう(一応反応してあげてる詩織)」
「何言ってんだよ! 通ってのはなーっ!」
ビンタされた。
死んでもどんぶりをひっくり返さないのは、さすがの執念だった。
「しほりちゃーん。おかわりー」
「名取もどうだ? 遠慮することはないぞ」
「(ガタッ!)ぜひお願いします!」
「あの……しお」
「〝あ〝あ?」
「………いえ。なんもないっす」
一坂は萎縮しながら、いそいそと自分の分の麺を茹に行った。
そして、
ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞおおぉぉぉ―――――ッ!(一坂)
ずるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる~~~~~(ミカン)
ズルズルズルズルズルズルズルズルズル――――――――――――ッ!(名取)
食い倒れ星人が三人になった。
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おきな




