俺と妹と喫茶店?
夢とは儚いものである。昔は「お兄ちゃん♡」といって可愛い笑顔をその顔に貼り付けて、どこへ行くにも俺を追いかけてきた妹は一体どこに消えてしまったのだろう?今となってはあの時の妹は天使だったのかもしれない。いや、ほんと、マジで。
「……兄さん。そのだらしのない表情を突然悲痛そうに変えて私を見るのはどういうことなのですか?」
妹はどこか不満げに此方を睨みつけ、紅茶の入ったティーカップを優雅に口元へと運んでいく。ソーサーにカップを戻し、こう一言付け加えるのだ。
「どうせ碌でもない妄想をして、最終的にマッチョのオジサマの姿が浮かんだとか、そういうことでしょうけど。」
失礼極まりない、この言葉である。俺は碌でもない妄想はしていないし、そもそもマッチョのおっさんの姿が浮かぶとか一体何がどうなってそうなるのだろうか。というか、妹で碌でもない妄想などしないし、したくない。
「マッチョのオジサマってなんだよ……。」
「スーツがピチピチになるほど筋肉が付いたダンディーな方でしょう、勿論。」
呆れたような声色でオジサマについて聞いてやると、妹はこのように答える。そんなオジサマ出てきたら二度と妄想しないと誓うね、俺は。
「ところで兄さん。妹としてはここのチーズケーキを頼みたいのですけれど。」
メニューに書かれているチーズケーキの文字を指差し、どこかドヤ顔で此方を見てくる。少なくともドヤ顔をする場面ではないが、見てくるのである。
「兄としてはその意見には反対である。」
「すみません、此方のチーズケーキをいただけますか?」
笑顔を作ってそう答えてやると、此方を無視し、店員さんを捕まえて妹はチーズケーキを頼む。兄(ケーキを奢ってくれる人)の意見は関係ないと言わんばかりである。店員さんは、かしこまりました、と頭を下げてオーダーを取って席を離れたが、お兄ちゃんの財布はもうぼろぼろである。
「ご馳走になります、兄さん。」
口元だけを緩ませ、追加でやって来るチーズケーキへと思考を切り替えたであろう妹は心にもないことを言う。ほんの少しだけ頬が紅潮しているのは気の所為なのだろうか?
「へいへい。妹様には敵いませんから。」
そう言って降参ポーズを取って、口をへの字に曲げておくと妹はこう言うのだ。
「お礼に明日の朝は納豆で起こしますね。」
駄文ですが感想募集中(震え声)
と、言うわけで、ちょっと更新ペース安定化されていきたいと思います。今後共よろしくお願いします。




