表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/12

私と兄と夢の話

「我敵機と遭遇せり!繰り返す、我敵機と遭遇せり!救援を!!!」


 通信機からは悲痛な叫びが聞こえる。何度も、何度も援軍を求める声が繰り返される。ここは前線。それも、昨日来た新兵が既に誰も居なくなるようなレベルの、だ。


「救援を頼む!!!救え……」


声が途切れ、この声の主が少なくとも無事ではないことは、この場に居る兵たちにもはっきり理解できるだろう。彼は良き友人だった。会ったことも関わりも無かったが、きっとそうだろう。

彼は、狭く暗い、このコクピットでその生に終止符を打たれたのだ。せめてそう思わなければ、誰も報われないだろう。


「にい……隊長、如何なさいますか?」


私は、上官に、……兄に問い掛ける。兄はきっと、救援に向かうと言うのだろう。ほんの少しだけ、怖い、と思う自分がいる。


「勿論、救援に向かうさ。お前たちもわかってるだろう?」


 上官になっても、変わることのない兄の声。兄は英雄と呼ばれるようになってからもずっとこうだ。そんな兄を思うと、少しだけ笑ってしまう。


「な、お前、何笑ってるんだ!?おかしいことなんて言ってないぞ!」


 少しだけむきになる様子も昔から変わらない。ただ、そんな様子を見て、隊の兵たちも口々に兄をからかう。それに少し勇気付けられたと感じた私が居た。


「皆さん……隊長のことをからかっていないで、真面目にしてください。それに隊長。行くなら行くと、私たちに命令を。征って彼を助けろと、その一言を。」


 尻を叩かないといけないのも、昔から変わらない。こんな兄だからこそ、私は付いていくと決めたのだから、変わらないことに安堵もしてしまう。


「……そうだな。皆、征くぞ。助けを求める人の元に。」


 応、了解、様々な言葉が皆から発せられる。スロットルをゆっくりと前へと押し倒す。すると機体はバーニアを吹かし、ゆっくりと前へ進んでいく。

 



「という夢を見たのですけれど、どうです?」

「駄目です。というか、その手にある納豆を今すぐどかしなさい。お兄ちゃんは断固として抗議します。」


 兄は納豆が嫌いらしい。せっかく私が練ってあげたにも関わらず、食べるのを嫌がっている。


「私が練った物が食べられないのか?」

「そうじゃないから!起きがけに練った納豆を部屋に持ってくる奴がどこにいる!!!」


 目を見開いて怒る兄を見て、少しだけ驚き、しかし負けるのも癪なので言い返す言葉を考えていると、そのまま兄はこう続ける。


「取り敢えず、着替えるから部屋から出てけ。」

「兄さんは「いやーんえっち」と言いたいのだと思っていた。」


 言葉のドッジボールを交わし、早々に部屋を退散することにする。これ以上は流石に危険だ。





 ねぇ、兄さん。どうして、私を嫌わないのですか?

 (個人的に)連続投稿。描写をどうすればいいのかが難しくて悩む今日此頃。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ