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# 第七話 ## 「初めてのデートと世界の危機」

# 第七話


## 「初めてのデートと世界の危機」


翌朝。


魔王城は大騒ぎだった。


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理由は一つ。


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母・美鈴である。


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「魔王様!」


「はい!」


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「野菜残したでしょ?」


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「申し訳ありません!」


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魔王が正座していた。


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部下たちは泣いていた。


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「魔王様が叱られてる・・・」


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「歴史が変わった・・・」


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悠人は頭を抱えた。


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「なんでこうなるんだ・・・」


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その時。


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「悠人さん!」


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リリアがやって来た。


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白いワンピース姿だった。


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鎧じゃない。


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騎士じゃない。


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普通の女の子だった。


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悠人の心臓が止まりかける。


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「き、綺麗・・・」


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「え?」


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「あ」


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言ってしまった。


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終わった。


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人生終了。


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だが。


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リリアは少し頬を赤くした。


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「ありがとうございます」


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悠人の顔も真っ赤になる。


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その時。


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「ユウトー!」


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ルナが飛び込んできた。


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黒いフリルの服。


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元気いっぱい。


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「今日は私と遊ぼう!」


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「え?」


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「え?」


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リリアとルナの視線がぶつかる。


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バチバチッ!


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火花が見える。


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完全に見える。


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ミルフィが実況を始めた。


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「さぁ始まりました!」


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「だからやめろ!」


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結局。


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リリア。


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ルナ。


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悠人。


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三人で出掛けることになった。


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人生初のデート。


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しかも二人。


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悠人の脳は限界だった。


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魔王城下町。


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屋台。


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露店。


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人々の笑顔。


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ルナは走り回る。


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「見て見て!」


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「危ないぞ!」


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「大丈夫!」


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次の瞬間。


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転んだ。


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ドテッ。


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「痛い・・・」


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「大丈夫か?」


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悠人が手を差し出す。


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ルナはその手を握った。


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嬉しそうだった。


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リリアが少しだけむくれる。


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可愛かった。


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悠人は気付かない。


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全く気付かない。


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鈍感である。


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その後。


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三人は湖へ向かった。


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静かな場所。


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風が心地いい。


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そこでリリアが言った。


---


「悠人さん」


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「うん?」


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「前から聞きたかったことがあります」


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「何?」


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「どうしてそんなに優しいのですか?」


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悠人は困った。


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優しい。


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そう言われても。


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当たり前だと思っていた。


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少し考える。


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そして答えた。


---


「母さんかな」


---


「お母様?」


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「人に優しくしろってずっと言われてきたから」


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リリアは微笑む。


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「素敵です」


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ルナも笑う。


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「やっぱりユウト好き!」


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「さらっと言うな!」


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ルナはケラケラ笑った。


---


しかし。


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その時だった。


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空が暗くなる。


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突然。


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巨大な黒い鳥が現れた。


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いや。


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鳥ではない。


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魔物だ。


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城ほど大きい。


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真っ黒な翼。


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赤い目。


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周囲が悲鳴に包まれる。


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「な、なんだあれ!?」


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「逃げろー!」


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町中が大混乱。


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リリアが剣を抜く。


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ルナが魔力を放つ。


---


悠人も前へ出る。


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だが。


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圧倒的だった。


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黒い魔物は笑うように鳴く。


---


「グオオオオオオ!!」


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そして。


---


巨大な闇のブレスを放とうとした。


---


誰も止められない。


---


そう思った。


---


その瞬間。


---


空から声が響く。


---


「こらーーーーーっ!!」


---


全員が見上げる。


---


そこには。


---


フライパンを持った母がいた。


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「ご飯前に暴れるんじゃありません!」


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「いや意味が分からん!!」


---


次の瞬間。


---


ゴォォォォン!!


---


フライパン一撃。


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巨大魔物が吹き飛んだ。


---


山を三つ貫通。


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遥か彼方へ消える。


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キラーン☆


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星になった。


---


静寂。


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誰も喋れなかった。


---


そして魔王が呟く。


---


「お母様・・・」


---


震える声。


---


「やはり世界最強・・・」


---


その頃。


---


遠くの闇の神殿。


---


黒ローブの男たちが固まっていた。


---


「・・・」


---


「・・・」


---


「我々の最終兵器が」


---


「うん」


---


「フライパンで飛んだ」


---


全員泣いた。


---


こうして。


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世界滅亡計画は開始一日目で大きく躓く。


---


だが。


---


黒い結晶の中で眠る存在は、


まだ目覚めていなかった――。


---


### 次回予告


## 第八話


### 「勇者召喚!?まさかの同級生」


異世界に新たな勇者が召喚される!


しかし現れたのは、悠人の高校時代の同級生!?


さらにリリアとルナの恋の勝負はますます激化!


そして悠人のポエムノートが王国中に流出する大事件発生!?


笑いあり、恋あり、涙ありの異世界生活はまだまだ続く!

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