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# 第五話 ## 「恋する騎士と、魔王の娘」

# 第五話


## 「恋する騎士と、魔王の娘」


王城。


豪華な晩餐会。


悠人は落ち着かなかった。


---


「場違いだろ俺・・・」


---


周囲には貴族。


騎士。


大臣。


王族。


---


その中心では。


母・美鈴が大人気だった。


---


「お母様!」


「こちらへ!」


「ぜひ我が家へ!」


---


「みんな元気ねぇ」


---


もはや王様より人気だった。


---


王様まで笑っている。


---


「ぜひ王国顧問になっていただきたい」


---


「主婦なので遠慮します」


---


断られた。


---


王様が少し悲しそうだった。


---


その時。


---


リリアが近づいてくる。


---


白いドレス姿だった。


---


悠人は息を呑む。


---


綺麗だった。


本当に。


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「悠人さん」


---


「は、はい!」


---


声が裏返った。


---


リリアが少し笑う。


---


「緊張していますね」


---


「そりゃしますよ!」


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「どうしてですか?」


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「・・・」


---


原因がお前だからだ。


---


言えるわけがない。


---


すると。


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リリアは小さく微笑んだ。


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「私は悠人さんと話すのが好きです」


---


ドクン。


---


また心臓が跳ねた。


---


その時だった。


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バァァァン!!


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大広間の扉が開いた。


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全員が振り向く。


---


そこに立っていたのは。


---


黒髪の美少女だった。


---


真っ赤な瞳。


---


黒いドレス。


---


小柄だが圧倒的な存在感。


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そして。


---


開口一番。


---


「私、あなたのお嫁さんになりに来たの!」


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指差した。


---


悠人を。


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「・・・え?」


---


「え?」


---


「え?」


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会場全員が固まる。


---


少女は笑顔だった。


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「見つけた!」


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タタタタッ!


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走ってきた。


---


そのまま。


---


ギューッ!


---


抱きつかれた。


---


「やっと会えたー!」


---


「誰ぇぇぇぇぇ!?」


---


悠人の悲鳴が響く。


---


リリアが固まる。


---


母がニヤニヤしている。


---


ミルフィは実況を始めた。


---


「新ヒロイン登場です!」


---


「テレビ番組じゃないんだぞ!」


---


少女は胸を張った。


---


「私の名前はルナ!」


---


ドヤ顔。


---


「魔王の娘です!」


---


静寂。


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一秒。


---


二秒。


---


三秒。


---


会場が爆発した。


---


「魔王の娘ぁぁぁぁ!?」


---


騎士たちが剣を抜く。


---


大臣たちが倒れる。


---


王様が椅子から落ちる。


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ミルフィまで驚いた。


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「えええええ!?」


---


「お前知らなかったの!?」


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ルナは首を傾げる。


---


「敵じゃないよ?」


---


「説得力がない!」


---


すると。


---


ルナは悠人を見上げた。


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「だってお父様が言ってたもん」


---


「何て?」


---


「もし困ったら、お母様に会いなさいって」


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全員が母を見る。


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美鈴も驚いていた。


---


「私?」


---


「うん!」


---


ルナは笑顔だった。


---


「お父様ね」


---


「うん」


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「昔、お母様に助けられたんだって!」


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「・・・は?」


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悠人の脳が停止する。


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リリアも停止する。


---


王様も停止する。


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ミルフィは紙を見ていた。


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「あっ」


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嫌な予感。


---


「あっ」


---


もっと嫌な予感。


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「あの・・・」


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ミルフィの顔が青くなる。


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「実は・・・」


---


「何だ?」


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「転移先・・・」


---


「うん」


---


「少し間違えました!」


---


「またかぁぁぁぁ!!」


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ミルフィは泣きそうだった。


---


「本当は平和な異世界に送る予定だったんです!」


---


「うん」


---


「でも座標を間違えて」


---


「うん」


---


「魔王と人間が戦争寸前の世界でした!」


---


「最悪だぁぁぁぁ!!」


---


王様まで頭を抱えた。


---


しかし。


---


その時。


---


ルナが小さな声で言った。


---


「でもね」


---


皆が見る。


---


「私、本当は戦争なんて嫌なの」


---


笑顔が消えていた。


---


少しだけ。


---


寂しそうだった。


---


「人間も魔族も仲良くできないのかな・・・」


---


その言葉に。


---


悠人は何も言えなかった。


---


だけど。


---


なぜだろう。


---


胸が痛んだ。


---


この子は。


---


本当に困っている。


---


そんな気がした。


---


そして。


---


母・美鈴は立ち上がる。


---


ニッコリ笑った。


---


「じゃあ仲良くしましょう」


---


全員。


---


「そんな簡単な話じゃない!!」


---


見事にツッコんだ。


---


だが。


---


異世界最強のお母様は本気だった。


---


こうして。


---


悠人たちの新たな冒険。


---


人間と魔族を繋ぐ物語が始まるのだった。


---


### 次回予告


## 第六話


### 「魔王、母に説教される」


ルナを送り届けるため魔王城へ向かう悠人たち!


しかし待っていたのは恐怖の魔王――


のはずが、


なぜか母を見るなり正座!?


さらにリリアとルナの恋のライバル対決も勃発!


ポンコツ天使ミルフィは魔王城で迷子になります!

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