# 第四話 ## 「ポエムがバレた日」
# 第四話
## 「ポエムがバレた日」
「ぎゃあああああああああ!!」
宿屋中に悠人の悲鳴が響いた。
---
「ど、どどどどどどどどこから読んでました!?」
悠人は顔を真っ赤にする。
リリアは少し考えた。
「最初からです」
---
「終わったぁぁぁぁ!!」
---
悠人はベッドに顔を埋めた。
死にたい。
異世界に来たばかりなのに死にたい。
---
リリアは不思議そうな顔をした。
「なぜですか?」
「恥ずかしいからです!」
「どうして?」
「どうしてって・・・!」
---
リリアはノートを優しく撫でた。
「とても綺麗な言葉でした」
---
悠人は固まる。
---
「誰かを大切に想う気持ちが伝わってきました」
「・・・」
「私は好きです」
---
ドクン。
---
心臓が跳ねた。
---
「好き・・・」
---
「はい」
---
悠人の脳が爆発した。
---
ドゴォォォォン!!
---
「うわあああああ!!」
---
「悠人さん!?」
---
宿屋の廊下。
---
美鈴が腕を組んでいた。
「若いわねぇ」
---
隣ではミルフィが双眼鏡を持っている。
---
「実況します!」
---
「やめなさい」
---
翌朝。
王都は大騒ぎだった。
---
なぜなら。
剣術大会が開催されるからだ。
---
優勝者には賞金百枚。
名誉。
そして王様との謁見権。
---
町中にポスターが貼られている。
---
すると。
ミルフィが一枚の紙を取り出した。
---
「美鈴さん!」
---
「なぁに?」
---
「出場登録しておきました!」
---
「へ?」
---
「へ?」
---
悠人も固まる。
---
「勝手にぃぃぃぃ!?」
---
ミルフィは胸を張った。
---
「最強だから優勝です!」
---
「その理屈おかしい!」
---
数時間後。
大会会場。
---
選手たちは猛者ばかり。
巨大な戦士。
有名剣士。
魔法剣士。
歴戦の冒険者。
---
そこに。
五十二歳の母が現れた。
---
会場がざわつく。
---
「誰だ?」
「観客じゃないのか?」
「迷子か?」
---
美鈴は笑顔だった。
---
「よろしくお願いします」
---
一回戦。
---
対戦相手。
身長二メートルの大男。
---
「おばさんよぉ」
男が笑う。
---
「怪我したくなかったら帰りな」
---
美鈴は首を傾げた。
---
「帰る?」
---
次の瞬間。
---
ポコッ。
---
軽く額を叩いた。
---
男が吹っ飛んだ。
---
ドゴォォォォォン!!
---
場外。
城壁に刺さる。
---
「・・・」
---
「・・・」
---
「・・・」
---
会場が静まり返った。
---
実況席。
---
ミルフィ。
---
「一撃です!」
---
「誰が予想できた!」
---
二回戦。
---
三秒。
---
三回戦。
---
二秒。
---
準決勝。
---
一秒。
---
「短くなってる!」
悠人が叫ぶ。
---
リリアも引いていた。
---
「あれは本当に人間ですか・・・?」
---
「母です」
---
「そうですか・・・」
---
納得していなかった。
---
そして決勝。
---
現れたのは。
王国最強騎士。
---
ガルド。
---
巨大な剣を持つ英雄だった。
---
観客は熱狂する。
---
「ガルド様だ!」
「優勝確定だ!」
---
だが。
---
ガルドは震えていた。
---
「わ、私は家族がいるんです・・・」
---
「まだ戦ってもないぞ!?」
---
そして試合開始。
---
ガルドが突撃する。
---
「うおおおおお!!」
---
美鈴は避ける。
---
そして。
---
肩をポン。
---
「頑張ったわね」
---
ガルド。
---
なぜか泣いた。
---
「母ちゃぁぁぁぁぁん!!」
---
その場で号泣。
---
試合終了。
---
「なんで!?」
---
会場中が叫んだ。
---
こうして。
---
山田美鈴。
---
異世界剣術大会優勝。
---
賞金獲得。
---
英雄認定。
---
王様から表彰。
---
そして。
---
『お母様』
---
という二つ名を授かるのだった。
---
その夜。
---
悠人たちは王城へ招待された。
---
だが。
---
誰も知らない。
---
王城の地下で。
---
魔王軍が動き始めていることを。
---
そして。
---
悠人の運命を変える事件が、
すぐそこまで迫っていることを――。
---
### 次回予告
## 第五話
### 「恋する騎士と、魔王の娘」
リリアとの距離が少しずつ縮まる悠人。
しかし王城で出会った謎の黒髪美少女が突然言い放つ。
「私、あなたのお嫁さんになりに来たの!」
さらにその正体は――魔王の娘!?
恋も冒険も大混戦!
ポンコツ天使ミルフィは今日も何かをやらかします!




