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超ひも♡理論君  作者: いたあめ(しろ)


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第57話 テレビ

57話はお話が進みます。

理論君がテレビをつける話です。

「男だと?? だまされないぜ!! 女物のセーラー服を着ているじゃないか」

「ああ、これは邦乃の制服を借りて来ただけだし。加奈さんをびっくりさせるために」


 邦乃ちゃん……もとい、ベル君は大声で叫ぶ。


「そんなわけない!! それなら、その膨らんだ胸はどう説明するんだ?? 男に胸があるはずがない」

 そうだ。


 邦乃ちゃんは、多分Bカップくらいあるはずだ。


「ああ、これか……」

 独り言ちながら、理論君はベル君の制服をたくし上げる。


「何をやっているんだ!? イケメン!! 邦乃ちゃんから離れろ!!」


 邦乃ちゃんの弟だったとしても、その顔は邦乃ちゃんに瓜二つだから、まるで理論君と邦乃ちゃんがイチャイチャしているようにしか見えない。


「残念、服の中は半そでの体操着でした」

 理論君が服の中から体操着を取り出すと、邦乃ちゃん……もとい、ベル君の胸は見事になくなっていた。


「ちょっと、理論、何も言わずにウチの服を急にたくし上げるのはやめて欲しいし。超はずかしいし」


 恥ずかしそうにするベル君。


「わかっているぜ、公式ではBカップということにしているけれど、本当の邦乃ちゃんには胸がないんだろ? AAAカップの胸を詰め物でごまかしているんだろ??」

 あ、この男、認めないつもりだ。


「それなら、これを見れば、分かるでしょ。下着までは取り換えていないから」


 そういいながら理論君はベル君のスカートをめくった。

 スカートの中から黒いトランクスが顔をのぞかせる。


「まじでやめろし、理論」

「分かっている、邦乃ちゃん、君は隠しているが普段はトランクス派なんだろ?? そんな君も素敵だ」


 うわっ、絶対に認めないつもりだ、この男。


「おいおい、いい加減、現実を直視しろよ!!」

 理論君が叫ぶ。


「うるさいぞ、イケメンめ!! 邦乃ちゃんのスカートをめくりやがって!! 制裁だ、制裁」


 激怒しながら、私の首にナイフを押し当ててくる。

 私、関係ないよね??


 私に制裁をするのはやめてくれ!!


「あの……」


 もうこれ以上、筋肉マッチョ金髪を怒らせてはいけないと思った私は話を切り出す。


「何だよ??」

「邦乃ちゃんにのどぼとけはないですよね??」


 私はベル君ののどぼとけを指さした。


「これは……特殊メイクだろ!!」


 うっわー、のどぼとけまで確認しているのに、まだ認めないつもりだ、この男は。


「邦乃ちゃんは学校からここまで一直線に来たんですよね?? 何で邦乃ちゃんが学校で男の特殊メイクをする必要があるんですか??」

「それは、ストーカー対策だろ」


「何でわざわざのどぼとけを特殊メイクなんていう、まどろっこしいことをするんですか?? そんな特殊メイクをするくらいなら、髪型を変えるなり、サングラスをかけるなり、帽子をかぶるなり、もっと簡単にごまかすことはできますよね??」


「そ……それは……」


 口ごもる金髪筋肉ムキムキ男。

 私は時計をちらりと盗み見た。


 もうすぐ17時30分だ。


「ファンなら邦乃ちゃんのSNSを確認していますよね?? 今日はもうすぐ生中継の時間だって言っていたじゃないですか!!」

「それは……すっぽかしているんだろ!!」


「はぁ?? 不思議野邦乃ちゃんが生中継をすっぽかす?? そんなことすると本気で思ってんの??」


 邦乃ちゃんはプロのアイドルだ。

 他のアイドルならいざ知らず、邦乃ちゃんが理由もないのに生中継をすっぽかすわけがない。


 邦乃ちゃんのプロ魂をこの男はけなした。

 それだけは許せない。


「好きな男のためなら、生放送をすっぽかすかもな!!」


 するわけないだろ!!


「理論君、テレビをつけて!! ツインテレビ局!!」

「了解です!!」


 私の一言ですべて分かった理論君はテレビのリモコンをオンにする。


「その目で確かめてみなさい!!」


『はーい!! 自称5オクターブ声が出せるメインボーカル担当、“和code”の“葡萄えび色”担当の不思議野邦乃です!! よろしくおねがいします』


 ニュース番組の生放送に出ている邦乃ちゃん。


「邦乃ちゃん!!」

「ほら、あなたの好きな邦乃ちゃんは、間違いなく生放送に出ているでしょ!!」


『今日は、和codeメンバーが2つのグループに分かれて“叩いてかぶってジャンケンポン”を生放送でお送りいたします!!』


 邦乃ちゃんが企画を紹介すると、和codeのメンバーはかわいらしくファイティングポーズをとった。


「なんてこった……俺は偽物の邦乃ちゃんを追っていたということなのか……」

「ベルと邦乃を見ただけで判別できないんじゃ、ファン失格だよな」


 理論君、何であおってるんですかね??

 まだ私、ナイフを突きつけられているんですけど。


「ウチを邦乃と間違ってストーカーした挙句、女性を人質にとるなんて、ファン失格どころか、人間失格だし。ファンナンバー007番さん!!」


 ベル君もあおらないで!!


「俺は間違っていない!! そうだ、悪いのは俺を騙そうとしたお前らだ!!」

「僕たちはお前を騙そうなんて思っていない。自分の間違いを認めず、人のせいにするなんて、最低だな」


 大声を出す理論君。


「そうだし、そうだし!! ファン失格だし。ナンバー007番がオイタしたって、邦乃に超告げ口するし!! そうすればお前なんか、ファンクラブ永久追放確定なんだし!!」


 ベル君も理論君に乗っかる。

 ああ、二人とも、どうしてそんなに筋肉男を刺激するの??


 そんなに刺激してしまうと……


「ファンクラブを永久追放されるくらいなら、今、お前たちを亡き者にして、なかったことにしてやる!!」


 そうですよね、暴力に頼ることになりますよね。

まとめ

筋肉男にベルと邦乃が双子だと信じさせるために、生放送を見せる。

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