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超ひも♡理論君  作者: いたあめ(しろ)


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39/61

第38話 万年筆

38話は少ししか進みません。

加奈が会社へ行くお話です。

 隣で理論君が寝ているので、テレビをつけて、ワイヤレスイヤホンで音を聞く。

『つぎは、24位から30位の発表です。29位は5月のB型、今日は少しだけ幸せなことが起こります、断定!! 26位は9月生まれの……』


 断定占い、全部の順位を読み上げてくれるわけではないんだ。


 それもそうか。

 1~12月×血液型4種類のパターンの48通りもあるのだ。


 全てを読み上げていたら、時間がかかりすぎてしまう。

 仕方なしに6月A型があるかどうか目で追った。


 24位から30位までにはいなさそうだ。

 もしかしたら、もう発表されたかもしれないな……


『続きまして31位から37位です!!31位は……』


 お、あった。

 今日の48位中32位か……


 半分より下か。

『今日は気分が乗らない上に、勘違いしてしまいます!! 断定!!』


 確かに、二日酔いですでに気分は乗っていない。

 あとは勘違いしてしまうかもしれないのか……


 いや、もうした。

 とんでもない勘違い。


『今から寝ようと思っています??』とささやいてきた理論君の顔が思い出される。


 うん、思い出すだけでも恥ずかしい。


 頭がガンガンと響くのは、二日酔いだけのせいではないだろう。

 こういう時は心機一転だ。


 私は自分で頭を横に振る。

 振った直後、ズキズキしていた頭がさらに痛くなった。


 何故、私は二日酔いで頭が痛いことを忘れて首なんてふったんだ。

 なおさらズキズキ痛むじゃないか。


 ズキズキする頭を抱えながら、玄関へと足を進ませる。

 なんとか歩けるようだ。


 這いつくばるほど気持ち悪くなることはないだろうが、歩くたびに頭が痛むので、時間がかかりそうだ。

 早めに職場へと向かおう。


 玄関から外に出ると、陽気な日の光に包まれていた。

 さわやかな朝のはずなのに、頭がズキズキするから台無しだ。


 オートロックのジー、カシャリという音も、今日は頭に響く。

 その場から逃げ去るように、エレベーターへと向かう。


 1歩歩くごとに、脳へと響く頭痛。

 脳に痛みを伝えさせないために、ゆっくりと歩く。


 エレベーターまで、たかだか20メートルほどの距離を何分もかけて移動しなければならなかった。

 もう少しでエレベーターに乗り込めるというところで、何かが落ちていることに気が付いた。


 しゃがみこんで確かめる。


 そこには黒色の万年筆が落ちていた。

 今まで見たことのない万年筆だ。


 手に取ってみるとずっしりと重い。


 素材がプラスチックじゃないところを見ると、もしかしたら、高級な万年筆なのかもしれないな。

 わが社で扱っている万年筆か??


 全体を見回すが、わが社のロゴは見当たらず、代わりに『Riron』という文字が彫られていた。

 理論君の万年筆に違いない。


 よし、持って帰ろう。

 私は胸ポケットに差し込み、家に帰ろうと立ち上がった。


 立ち上がった瞬間、頭痛が私を襲う。

 これはダメだ。


 家まで帰れそうにない。

 理論君には悪いけど、帰社したあとに理論君に万年筆を返そう。


 即断した私はそのまま会社へと向かうためにバス停へと向かった。


 …………

 ……


 バスから降りると、コンビニに寄り、割引されていない非常食用のゼリーと二日酔いに効くウコンドリンクを買う。


 うう、コンビニって高いよね。

 近くのドラッグストアで買えば10%は値引きされているのに。


 うう、コンビニ商品を買うだけで、高価だと思ってしまうのは、私が貧乏性だからだろうか……

 ゼリーだけバッグの中へとしまいこんだ後、二日酔い解消ドリンクはすぐにごくりと飲み込む。


 よし、これでお昼頃までには、二日酔いもすっきりするはずだ。

 空き缶をバッグに入れると、私はバス停へと向かった。


 時間は8時50分。

 なんとかたどり着けた。


 早番じゃなくて良かったよ。

 早番だったら、会社の上役のお出向かえもしないといけなかったからな……


 グロッキー状態で上役をお出迎えして、『君、体調悪いのかね』と気づかれたら、秘書課なのに、自分の体調管理もできない無能の烙印を押されてしまうからね。


 ああ、本当に良かったよ。

 胸をなでおろしながら秘書課に入ると、挨拶をして、自分の席に着いた。


「おはよう」

 小山さんが秘書課の扉の前で全員に挨拶の声。


「「「「おはようございます」」」」

 その場にいた全員が挨拶を返す。


『金子さん、9時15分から30分まで時間あるかしら??』

 小山課長が席に着くと、私にチャットが入る。


『もちろんです』

 すぐさまチャットを返した。


 小山課長と話せる機会なんてめったにない。

 急ぎの仕事はないから、少しくらいなら大丈夫だろう。


 仮に急ぎの仕事があったとしても、小山課長と会話ができるなら、後回しにするけどね。


『隣の会議室をとったので、9時15分に来てください。スケジュールには、引継ぎで予定を入れました』

『承知しました』


 チャットで文字に残したくない秘密の話なのだろう。

 時間通りに向かった。


「座ってちょうだい」

「失礼します」


「昨日は大変だったわね」

「そうですね、まさか、空から男性が落ちてくるとは思いませんでした」


「空から落ちて来た男性?? なんのこと??」

「こっちの話なので忘れてください」


 しまった。

 二日酔いがひどいとはいえ、このミスはまずい。

 理論君のことを小山さんが知っているわけないじゃないか。

まとめ

加奈、理論君の万年筆を拾って会社へ行く。

加奈、小山課長と会議室で話し合う。

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