表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超ひも♡理論君  作者: いたあめ(しろ)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/60

第26話 シンクロ

26話 話は少ししか進みません。

加奈と男性の言葉が時々シンクロするお話です。

「写真はもう撮り終えたので、食べましょう!!」

 男性に手渡されたスマホをバッグの中にしまいこむ。


「そうですね」


 私がスマホをバッグにしまい込んだのを確認すると、男性が笑顔でうなずいたので、シーザーサラダをトングで備え付けられていたとり皿に取り分けた。


「はい、どうぞ」


 男性に取り分けたサラダを先に渡してしまう。

 はぁ、『自分のことは後回しにする』という職業病が今日も出てしまった。


 プライベートだし、私のお金で食べるんだから、私ファーストでいいのに。


「ありがとうございます」

「どうしたしまして」


 お礼はするものの、渡したサラダに箸をつけようとしない。


 あれ??

 何で手をつけないのだろう??


 お腹が空いているならはやく食べればいいのに。

 私は訝しみながらも、自分のサラダをとり皿に入れる。


 その間も男性は箸を進めようとはしない。


「食べないの??」

「貴女が食べたら食べます」


 私が食べたらって、私に毒見をさせるつもりか??

 いや、お店が出しているサラダなのだ。


 毒見の心配なんかありはしない。

 そういえば、さっきのご飯も私が食べるまで手をつけようとしなかった。


 お腹が膨れて来たので、私を待つほどの余裕がでてきたのだろう。


『いや、待たなくていいから』と言おうとして、その言葉を飲み込んだ。

 私がサラダを食べれば彼も食べるのだ。


 シーザーサラダ、お前なんか、食らってやる!!

 私はサラダを一口だけ口に入れた。


 ああ、なんておいしいのでしょう。

 シーザードレッシングの香りが食欲を刺激し、みずみずしいシャキシャキのレタスと、酸味のあるミニトマト、そしてクルトンのサクサクした甘みが口いっぱいに広がる。


 サラダだけでおなかをいっぱいにしてもいいくらいだ。


「おいしいよ、シーザーサラダ! 食べてみて!!」

 そう勧めると、男性は少しだけサラダをとる。


「ここは居酒屋ですよ。サラダがそんなにおいしいわけがないです」


 男性は、疑いながら上品に口の中に入れた。


「おいしい!!」


 大げさに目を見開く男性を見て、プッと吹き出してしまう。


「笑っていただけたなら幸いです」

 今度は屈託のない笑顔を向けられて、ドキンとしてしまう。


 ん??

 ドキン??


 このままだと惚れてしまうじゃないか。

 まてまて。


 冷静になるのよ、私。

 この笑顔は私におごってもらうために作られた偽物なんだ。


 騙されてはいけないわ。

 自分に言い聞かせる。


「こんなにおいしいシーザーサラダを作っていただき、ありがとうございます!!」

 ちょうど唐揚げを持ってきていた女店員さんに、お礼を伝える男性。


「こちらもおいしいですよ。揚げたてですので、やけどに注意してください」


 視線の先には、真っ白い大きなお皿の上にパチパチパチと揚げた時の音が聞こえてきそうなほどのきつね色の唐揚げがあった。


「「ありがとうございます」」


 やはり男性と私は同時にシンクロしながらお礼を伝えた。


「あはは、みごとなシンクロですね。お二人は仲がいいんですか??」


「「今日あったばかりです」」


 またもや男性と声がシンクロする。


「まるで、長年連れ添った夫婦みたい」

 店員さんの顔がほころんだ。


「「ちょっと、やめてください」」


 またもシンクロしてしまう。


「シンクロ率100%ですね」


 店員さんは茶化してきた。


 カップルでもなければ友達でもなく出会ったばかりなのだ。

 それなのに、長年連れ添った夫婦でシンクロ率100%……だと??


「そんなわけないです」

 私がきつい口調で否定する。


「すみませんでした」

 店員さんは頭を下げて謝った。


「あ、すみません、きつく言いすぎてしまいました」

「いえいえ、こちらも言いすぎました。注文は以上でよろしいでしょうか??」


「いいかしら??」

 私は首をかしげながら、男性に確認をとる。


「僕は大丈夫です」

「それなら、以上でいいわ」


「承知しました。追加注文ありましたら、お呼びください」

 店員さんは厨房へと戻った。


「おいしそうな唐揚げだね」

「そうですね」


 こくりとうなずく男性。


「レモン汁と塩コショウはかけますか??」


 私は反射的に聞いてしまっていた。

 シェアする食べ物の味付けは、どうするか伺いを立てるという秘書の悲しい性だ。


「かけた方が好きです」

「わかりました」


 そう言いながらレモンと塩コショウをかけてしまっていた。


 うう、私、レモンも塩コショウもかけない方が好きなのに……

 まあ、いっか。


 私は唐揚げを口にほおばる。


 さくっとした歯ごたえの衣を噛んだ瞬間に、柔らかいもも肉のジューシーなアツアツの肉汁が口の中に広がると同時に、その肉汁が塩コショウと混ざり合い、すぐに、さっぱりとしたレモンが脂っこさを包み込んでくれる。


 なんという味のハーモニーだろう。

 レモンと塩コショウをかけて良かった!!


 これはごはんも進みますわ。

 ごはんはもっと後からにしようと思っていたけど、これは一緒に食べるのが正解だ。


 私がぱくぱくと食べながら、目の前の男性をチラ見する。

 成人男性にしては食べていないんじゃないか??


「どうしたの?? 唐揚げがきたんだから、遠慮せずに食べなされ」

「食べていますよ」


 にこりと笑う男性。

 やはり、元から小食なのかもしれない。


「お姉さん、恩返しがしたいです」

 頭を下げてくる男性。


「恩返しですか??」

「そう、恩返しです。そうだな……今できることと言えば……」


 あごに握りこぶしを当てて、考える仕草をする若い男性。

 そのポーズは、スマートかつセクシーだ。


「……体で返します」


 ぶー。

 私は食べていたご飯を吹き出してしまった。


 体で返すって意味わかって言っているのか??

まとめ

加奈と男性、おいしいからあげを食べる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ