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超ひも♡理論君  作者: いたあめ(しろ)


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第1話 朝食

1話は、会社へ行く様子が描かれていて、話は全く進みません。

(別の言い方をすると、主人公の性格描写と生活環境と伏線とミスリードがダラダラと書かれています)

 ピピピピピ……

 無機質な目覚まし時計の音。


 夢……か……

 嫌な夢を見た。


 まさか3年前の就職試験のトラウマ黒歴史が夢で鮮明に蘇るなんて。

 ふぅと大きく息を吐きだす。


 大丈夫よ、大丈夫。

 確かに私は成神グループには受からなかった。


 だけど、年商2位の嶺敷りょうしき商社に入社したのよ。

 しかも、2年目にして実力を買われて、支社から本社務めになったの。


 悪夢にうなされる必要は全くないのよ。

 自分に言い聞かせながら、私を悪夢から救ってくれたスマホのアラームを止める。


 6時50分。

 SNSからのメッセージも電話もなし。


 カーテンを開けて日の光さえ浴びれば、目も冴えて、悪夢もどこかへ行ってしまうはず。

 ベッドから足を降ろし、上体を起こした私は、窓の方へ向かう。

 カーテンをめがけて歩いていると、右足の小指に激痛が走った。


『痛い!!』 と叫びそうになって、なんとか声をのむ。

 大きな声を出せば隣の部屋の人を起こしてしまうかもしれない。

 私の右足の小指に痛みを与えた段ボールの束を無言でにらみつけた。


 やはり、玄関に置くべきだったか……

 ……いやいや、15日の古紙回収日にならないとゴミは出せない。


 玄関に置いておくと出入りの邪魔になるから、やはり、この部屋に置くしかないのだ。

 カーテンを開け閉めするときだけ気を付けよう。


 あれ??

 そういえば15日の古紙回収、やるべきことリストに加えていなかったはずだ。


 カーテンを開けるより前に、先にリストに加えておこう。

 ペン立てからウサギの柄がデザインされてある黒ボールペンを出し、リストに段ボール整理を付け加えると、その上にあった『309号室に住むお隣さんへの引っ越しあいさつ』が目に入る。


 その文字が私の心をブルーにさせた。

 いつ帰ってくるんだよ、309号室の人!!


 この独身寮に来て1週間、309号室の人だけはまったく挨拶ができていない。

 他の部屋の人に309号室はどんな人が住んでいるかを訊ねたのだが、いつもしんと静まり返っていて、いつ帰ってきているかも、住んでいる人が男か女かも分からないらしい。


 誰も住んでいないという可能性はないかと訊くと、ごくまれに窓が1cmほど空いている日が2か月に1度ほどあるそうだ。


 長期出張が多いのか、あるいは交際相手の部屋に寝食をともにしていて部屋には帰ってこないのか、はたまた、ネットカフェで生活をしているのか……


 いずれにせよ、引っ越しのあいさつははやく済ませてしまいたいので、309号室の人、今日は帰ってくるといいんだけど……


 309号室の方の壁に耳を当ててみる。

 音はない。


 あ、そう言えば、この独身寮は防音だったんだ。

 耳を当てても意味はないじゃないか。


 ピピピピピ……

 先ほど止めたはずのスマホのアラームが鳴り響く。


 寝過ごしても誰も起こしてくれる人がこの部屋にはいないから、念のためにスマホでもアラームをセットしておいたんだった。

 時間を見ると、6時55分。


 会社へ行く準備をしなくては。

 すぐさまスマホのアラームを止めると、買ったばかりまだ見慣れぬカーテンを開けて、これまたまだ見慣れぬ窓を開ける。


 さわやかな春の日差しと共に、ふわっと入ってきた心地よい風。

 そよ風と共に洗面所に行き、顔を冷水で洗い流す。


 フェイスタオルで顔を拭いて、髪をお気に入りのブラシでとかせば完璧だ。

 あとは、ラジオ代わりにテレビをつければ、気分もスッキリするだろう。


 悪夢よ消え去れ……と思いながら机の上に置いてあるリモコンで電源を押す。

 画面の中には成神グループの成神社長の顔がでかでかと映っていた。


 社長の顔を見た途端、フラッシュバックされる今日の悪夢。

 私は固まったままチャンネルを別の番組にかえる。


『4月4日火曜日、『占い師ミカエル・ナミ先生』の今日の断定占いのコーナーです』

 あ、今、話題の断定占いだ。


 断定占いは占いであるにも関わらず、断定してしまう占いなんだよね。

 断定してしまっているのだから、もしも占いが当たらなければ、批判がありそうなものだが、当たると評判で、SNS界隈でバズっているらしい。


 ネットニュース曰く、占いコーナーが終わると、視聴率はほぼほぼ0%になるので、来年からはニュース番組をやめて、占い番組にしてしまおうという案もでているらしい。


 それほどまでに当たるの占いなら占ってもらおうじゃないか。


 私は6月のA型だ。

 自分の誕生付きと血液型が出て来るまでじっと画面を凝視した。


『今日の10位は6月生まれでA型のあなた……』

 お、今日の私は10位らしい。


『……あなたは今日、トラウマがあなたにまとわりつき、ピンチに陥った後、運命的な出会いをします!! 断定!!』


 うん、当たってる。

 今朝、悪夢をみたからね。


 その後ピンチに陥るのか……

 注意をしないと。


 運命的な出会いって何だろう??

 運命的といっているけど、良い運命なのか、悪い運命なのか……


 まさか、成神グループの社長と再会なんてことはないだろうな。

 いや、そんなはずはないだろう。


 物事はポジティブに解釈しないと。

 さて、占いも見終わったし、ご飯を食べなくては。


 昨夜自炊しておいたスープに市販の春雨を入れて、レンジで温めますか……


 数十秒後、レンジがピーと終わったことを教えてくれる。

 温まったオレンジ色のスープジャーをミトンでとって、机の上に置く。


 ミトンを外してミトンをかけてから、フォークとレンゲをとり、青いクッションに座ると、アツアツのスープをレンゲですくって、一口食べた。

 おいしい!!


『――以上で占いを終わります』

 ご飯を堪能していたら、いつの間にか占いが終わっていた。


 テレビ画面左上の時計をみやるともうすぐ7時。

 そろそろ、朝のバラエティー番組が始まる時間だ。


『CMのあと、今日のお店です。本日は東京の八反田公園の近くに最近できたばかりの居酒屋を紹介します』


 八反田公園ならば、ここから歩いて2~3分だ。

 話のタネに、このままニュースを見続けよう。


 アナウンサーの一言に、私は持っていたリモコンを机に置きなおした。

 さて、CMはどのようなものが流れているのだろうか??


 最近のCMのトレンドをチェックしなくては。


『――24時間いつでも家事の代行をするメイド出張サービス『メイ・メイド』♪ メイドを家に上げたくない方は、メイドさんんの手作りご飯をデリバリーもできます♪――』


 羊の被り物にメイド姿の小太り中年男性が、つたないダンスをしている。

 初めて視聴するCMだ。


 女装をしたメイドさんの名札には、“専務”と書いてあるところをみると、おそらくこの会社の専務さんなのだろう。


 小太り専務さんはダンスをやめて、急にしゃがみ込んだかと思ったら、スケッチブックを手に取り、頭の上に掲げた。


 カメラはスケッチブックに書いてある文字に寄っていく。


 そこには、“もちろん専務はあなたのご自宅へ向かいません。20代~30代の女性メイドがあなたのお宅にご訪問します”と注意書きがしてあった。


 このCM、若いサラリーマン向けだよね??


 深夜のビジネスニュースならいざ知らず、子どもも視聴するであろう朝のニュース番組には教育上良くなさそうだ。


 なぜ今、この時間に放送するのか、意図がさっぱり分からない。


 考えられることといえば、このニュース番組は占い以外の視聴率が悪く、ほぼ0%だという噂だ。

 どこもスポンサーがつかずに、あえなく、低予算で作られたメイド出張サービスを流しているとか??


 CMの最後に、成神グループのロゴが目に入る。

 その瞬間、今朝の悪夢がフラッシュバックし、気分が悪くなる。


 落ち着け、落ち着くのよ、金子加奈。

 悪夢を見たとはいえ、成神グループが私に直接危害を加えるわけじゃない。


 過去よりも、未来のことを考えるの。

 このCMが終われば、最近できた居酒屋の情報が手に入る。


 もしかしたら、会食で利用するかもしれないわ。

 チェックしないと。

まとめ

主人公金子加奈、出社するため朝の準備をする。

準備中、テレビを視聴する。

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