表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超ひも♡理論君  作者: いたあめ(しろ)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/61

第18話 逃走

18話 話はまったく進みません。

加奈がトッシー先輩から逃げようとするだけのお話です。

「俺にはお前しかいないんだ!!」


なんていう強引なセリフを大声で叫ぶんだ。

秘書課のみんなに関係を誤解されてしまうではないか。


「私にできることといえば、自分のクビまではねないように、トッシー先輩を見捨てることくらいですね」


これ以上関わったら私のクビまで飛んでしまう。

匙を投げるが吉だ。


秘書課に逃げ込もうとドアノブに手をかけた。


「させるか!!」


バスケのディフェンスをするかのごとく、トッシー先輩は私の進路を妨害してきた。

ここはダイレクトに逃げない方が得策だ。


奇策を弄してやる。


「分かりました。うまい言い訳を考えるので、そこを通してください」


とてもいい条件でしょ??

トッシー先輩。


だからそこをどけ!!


「本当か?? ここを通せば、本当にうまい言い訳を考えてくれるのか??」

「もちろんですよ!! ギブ&テイクと行きましょう!!」


さあ、首を縦に振るんだ。

そうすれば、秘書課に逃げ帰り、立てこもれる。


立てこもって、トッシー先輩のチャットを無視し続ければ、結果的に、この件から手を引けるのだ。

さあ、うなずけ、トッシー先輩!!


「絶対に通さないぞ!! ここを通したら秘書課に逃げ込んで籠城を決め込むつもりだろう?? ここを通りたいなら、俺を倒してからいけ!!」


仁王立ちで立ちはだかるトッシー先輩。

そううまく、『こと』は運ばないか……


こうなったら、ぶん殴ってでも通らせてもらおうじゃないの!!


「うおりゃー!!」


アクション映画さながら、私は大声で叫びながら、飛び蹴りをする。

毎日歩いて鍛えた私の飛び蹴りをくらえ!!


私の蹴りをまともに食らうトッシー先輩。

ふっ、またつまらぬものを蹴ってしまった。

これで、先輩も倒れて諦めるだろう。


「その程度の力では俺を倒せないぞ!!」

私の蹴りをまともに食らっても踏みとどまるトッシー先輩。

そうですよね。


私、格闘技の心得があるわけじゃないしね。


何という執念だ。

トッシー先輩の戦闘力は56万なのかもしれない。


それなら、みぞおちに正拳突きをお見舞いしようじゃないか。

私はぎゅっと拳を握りこんだ。


「君たちは何をしているのかね??」

後ろから男性に声をかけられた。


「今、ちょっと取り込み中なので、静かにして、社長!」

トッシー先輩は、キレながら叫ぶ。


「そうです!! 今、取り込み中なので後にしてください!! ……って、社長!?」


トッシー先輩の社長という言葉に振り返る。

そこには間違いなく、嶺敷グループの社長がいた。


後ろには社長専属秘書も引き連れている。

なんでここに社長が??


どうしよう、私。

社長に『今、取り込み中なので後にしてください!!』ってかなり強めに言っちゃった……


機嫌を悪くしていないよね??


「ケンカかな?? 秘書課のエース金子さんと宴会部長」


社長が私の名前を憶えていてくれている!!

なんで、秘書課の末端の私の名前まで覚えてらっしゃるんですか??


……いや、これは愚問か。

一代でここまで会社を成長させた敏腕社長だ。


記憶力が半端ないのだろう。

全員の社員の名前を覚えているという噂は本当だったんだ。


「ケンカだなんて、そんなことないですよね、宴会部長??」

「その通り、その通り」


「そうかね?? どうやら、ボールペンが落ちているのに気づかないほど、言い争いをしていたみたいだが??」


そう尋ねながら、床の方をみる社長。

その目線の先にはボールペンが落ちていた。


ボールペンが落ちている場所から推察するに、きっと、先輩がジャンピング土下座をした時に落としたのだろう。


社長は先輩の落としたボールペンを拾おうとしている。

そうはさせない。


「私が拾いますから、社長はそのままで」

さすがに社長にボールペンを拾わせるわけにはいかないと思った私は社長と同時に手を出し、今度は社長とぶつかっていた。


「痛たたたた」

ぶつかった瞬間、社長の胸ポケットからボールペンが滑り落ちた。


「おいおい、また大失態かよ、金子!」

私のミスを指摘するトッシー先輩。


「また?? 今、またと言ったかね?? 私にぶつかる以外に何か大失態を犯したのかね、金子さん??」


それもフォローしてあげようと、仏の笑顔で訊ねてくる社長。

無言でトッシー先輩をにらみつけた。


「すみません、私の大失態を話すということは上司の大失態を話すことにもつながるので、私の口からはとても申し上げられません。詳しいことは、宴会部長にお尋ねください」


そう言いながら、落ちていたボールペンを拾い、社長とトッシー先輩に1本ずつ渡す。


「ほう、詳しく説明してもらえますかな、瀬尾宴会部長」

ちらりとトッシー先輩の顔を見ると、トッシー先輩の顔は、土色になっていた。


「えっと、口頭では言えないほどの大失態で、金子秘書が……痛っ!!」

みなまで言いそうになった先輩のかかとを社長から見えないように蹴飛ばし、無理やりに話を終わりにさせる。


「私は関係ないのですが、瀬尾部長が始末書の代筆を手伝ってほしいと懇願してきたのです」

「いや、違う……痛っ!!」


私は見えないようにもう一度先輩の足をへし折るつもりで蹴り飛ばした。


「ところで、社長はどうしてここへいらっしゃったんですか??」

話を逸らす。


「ただいま社長は会社全体の視察をなさっていて、次は秘書課を視察する予定です」

私の疑問に社長専属の秘書がこたえた。


「それでしたら、ご案内いたします!!」

ようし、これでトッシー先輩から堂々と逃げるための口実ができるぞ!!


「おや、金子さんは瀬尾部長と始末書についての話し合いがあるのだろ?? 私のことは気にせずに、続きをどうぞ」


ニコニコしながら、促してくる社長。

その笑顔にウソはなさそうだ。


だがしかし、社長の前で大失態のことを話せるわけがない。


「えっとですね……なんと申し上げればよいといいますか……」


しどろもどろする私。

逃げなきゃだめだ、逃げなきゃだめだ、逃げなきゃだめだ!!


「おや?? 瀬尾部長、その手に持っているものは、もしや、先日私に勧めてくれたイチゴ大福かな??」

「……そうですね」


涙を流しながら、うなずくトッシー先輩。

まだ、大丈夫だよトッシー先輩。

社長はまだ成神グループのお菓子だと気づいていないから。


「確か、そのイチゴ大福は、今日、成神グループが買収したと発表したお店じゃなかったかな??」

はい、終わった。


社長、ライバル会社のイチゴ大福だって分かっているじゃないか。

トッシー先輩のこの会社で働くことはなくなった。

この会社を去っても達者でね、トッシー先輩。


「そう……ですね……」


トッシー先輩の顔色は、もはや死人かと思うほど青ざめていた。

トッシー先輩のライフは絶対に0以下だろう。


「そのイチゴ大福がどうかしたのかい??」

「このイチゴ大福、そこにいる金子がとてもおいしいから毎日でも食べたいと言っていました!!」


なんということをしてくれたのでしょう!!

まとめ

加奈は逃げようとするが、社長降臨で逃げられず。

社長に良いところを見せようとしてミスする加奈、失敗する。

トッシー先輩に告げ口までされる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ