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超ひも♡理論君  作者: いたあめ(しろ)


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14/15

第13話 チャット

13話 話はまったく進みません。

トッシー先輩に翻弄されるお話です。

 トッシー先輩のメッセージは、『この添付ファイル、見た??』だった。


 添付ファイル??

 朝、確認した『上役の名簿の追加訂正について』に添付されていたファイルだ。


 ええ、赤字で書かれていたので、真っ先に見ましたとも。

 わざわざ確認のためにチャットしたのか??


 それなら、返信せずにそのまま社員食堂へ行こうか??

 いや、チャットを開いた時点で、相手に既読がついてしまう。


 既読スルーは働く社会人としてさすがにできない。

『見ました』


 私は手に鉛をつけた思いで、キーを叩きチャットを返す。

『ねえ、今、どんな気分?? どんな気分??』


 わざわざ、私の気持ちを訊ねてくるトッシー先輩。

 どこまでドSでいじわるなんだ、トッシー先輩は。


『部長じゃないと断言して、すみませんでした』

 最後に“土下座している人”のスタンプと共にメッセージを送信する。


『確か、本当に出世したのなら、なんでもお手伝いします……的なことを言っていたよね??』

 朝ごはんは何を食べたかは覚えていないのに、私との約束のことはしっかりと覚えていたか。


『言いました』

 もう一度“土下座している人”のスタンプと共にチャットを送る。


『今日の15時までに、総会の資料を作成しなくてはいけないんだけど、手伝ってくれないかな??』


 今日までの総会の資料??

 今日までに必要なら昨日までに完成していないとおかしいよね??


 完成していないので、今作れと??

 どんだけ仕事ができないんだ、トッシー先輩は。


『私、今からお昼休憩ですので、できれば、早番の方にお願いできませんか??』

 別に私じゃなくてもできるはずだ。


『秘書課の人の予定をチェックしたら、みんな忙しそうだからさ』

 実際に秘書課の他の人の予定をチェックしてみるが、みんな午後からスカスカだ。


『秘書課のみなさん、忙しくなさそうですけど』

 事実をトッシー先輩に伝える。


『実は俺、毎回仕事がギリギリで秘書課の人に毎日お手伝いを頼んでいるから、新人である金子以外の人には頼みづらいんだ』


 そっちが本音か。

 毎回仕事がギリギリって、どんだけ仕事ができないんだよ、トッシー先輩は。


 ドSのくせに。


『そこは宴会部部長の権限を使って、私以外の秘書課の人を動かしてくださいよ』

『確か、24時間働けるんだよね??』


 さっきの啖呵を覚えていたか……

 朝食の内容を覚えられない記憶力なんだから、忘れてくれてもよさそうなのに……


『小山課長の許可をとってみます』


 さすがに、報告もなしに私だけの判断でトッシー先輩のお手伝いをするわけにはいかない。

 ため息交じりでチャットを返す。


『許可はもうとってあるから大丈夫』


 先手を打たれていたか……

 許可をとってあるというのなら、私に拒否権はない。


『了解しました。具体的に何をすれば??』

 “涙を流しながら、ぴしっと敬礼する人”のスタンプと共に、チャットを返す。


『添付資料を100枚印刷して、1枚ずつ茶封筒に入れ終えたら共有ボックスに入れておいて』

『分かりました』


 私はもう一度、“涙を流しながら、ぴしっと敬礼する人”のスタンプと共に、チャットを返した。

『よろしくね、加奈』


 うわー、この男、私のことを名前呼びし始めたよ。


『セクハラで訴えますよ!! チャットでも社内では苗字で呼んでください』


 高校時代トッシー先輩の彼氏だったなんて、ブラックホールに押し込みたいほどの黒歴史なんだよ。

 絶対にバレるわけにはいかないんだから。


『分かったよ、金子さん』


 私は全員が閲覧できる社内の予定表に『資料作成(宴会部長手伝い)』と打ち込んでから、作業に取り掛かった。


 うう、お昼ご飯が遠のく……

 だけれども、誰かに頼られるって、快感……


 私にとって仕事の依頼は、孤独を少しだけ和らげてくれるお薬のようなものだ。

 だがしかし、その相手がトッシー先輩。


 複雑だ。

 頼られるのは好きなのだが、その相手が元カレ。


 いや、これは小山課長の命令でもあると考えればいいのだ。

 小山課長のために、やってやる、やってやるぞ!!


 どんな命令だってやり遂げて見せる!!


 …………

 ……


 終わった。

 私は共有ボックスに書類を入れる。


 燃え尽きたよ、真っ白に……

 いや、ダメだ。


 トッシー先輩に『仕事が終わった』と報告するまでがお仕事。

『終わりました。確認をお願いします』


 チャットで“敬礼した人”のスタンプと一緒にトッシー先輩に送る。


『ありがとう すぐに確認します もしも不備があったときはこちらで直しておくので、今から1時間休憩してください』

 すぐさま返信が来た。


『分かりました』


 “涙を流しながら、ぴしっと敬礼する人”のスタンプと共に、チャットを返す。


 よし、これで本当に前半戦のお仕事終了。


 さて、これからどうするか……

 パソコンの右下の時計で時間を確認する。


 もう14時35分。

 社員食堂のラストオーダーは14時30分までだ。


 今から行っても、注文を受け付けてもらえないだろう。

 それならば、近くのコンビニまで買いに行くか??


 お腹がすきすぎて、コンビニまで動けそうにない。

 仕方ない、非常用の完全栄養ゼリーを飲むか。


 このゼリー、単価が高いからあまり使いたくなかったんだけど……

 背に腹は代えられない。


 私はゼリーをバッグから出して、胃袋へと流し込む。

 お腹がいっぱいという満足感はないものの、空腹感はなくなった。


 ダメ押しで、水分をたくさん飲んで、おなかを膨らませよう。

 ペットボトルの緑茶もほぼ飲んでしまった。


まとめ

トッシー先輩のお手伝いで、社内食堂へ行けず、お昼ご飯はゼリーとお茶に変更。

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