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トルバドーれ! ライナーノーツ  作者: 袴田八峰


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30.強いぞ!凄いぞ!カッコイイぞ!


■30.強いぞ!凄いぞ!カッコイイぞ!■


 【リリース】:第三十五幕四席


 【作詞】:ポメロ(協力:アンドレック)

 

 【作曲】:ポメロ


 【V.】:アンドレック(コーラス:ポメロ)


 【熱情の名前】:伝統への一撃


 【熱情の形状】:噴き出した噴水

 

 【内容】:


   アリアである。

   スコアの歌唱部分の、音符だけを追っていくのならば。

   インベンションである。

   スコアの伴奏部分の、音符だけを追っていくのならば。


   つまりは彼等の事前提出したスコアは、

   完全に伝統派の理念と技法にマッチした、

   王都貴族に耳馴染みのある楽曲であった。


   あったのだ、スコア上は。

   だが、実際の演奏はスコア通りでは無かった。

   

   スコアを無視した訳ではない。

   スコアを発展させた。

   或いはスコアに無数のおかずを付けた。

   その結果、王都の楽師が誰も想像し得なかった、

   異形の賛歌を形作ってしまった。


   歌詞も理念を横溢してはいない。

   確かな賛歌がそこにあるのだ。

   格調と品位と装飾を放り投げて、

   敬意を感情にまで昇華させた賛歌が。


   これは、彼等の情熱が為した奇跡《あくむ》なのか、

   それとも冷徹な計算と配分による悪夢《きせき》なのか。



 【歌詞抜粋】:


   ♪―― ダダッダダッダッ! ダッダッダダダ!

   

   ♪―― 王様のオヒゲは凄いヒゲー!

   ♪―― 従う騎士たち白い盾ー!

   

   ♪―― 強いぞ! 凄いぞ! カッコイイぞー!

   ♪―― 僕らの王様ダダッダー!



 貴族1:なんと素晴らしい王様賛歌か!


 貴族2:子供ならではの感性が純粋な敬意を浮き彫りにしている!


 夫人1:流石は音楽の都が誇る神童ですわ!


 夫人2:あてくし感動のあまりに涙が零れてしまいますの……


 子息1:でもあれ、あまりに幼稚な


 夫人1:お黙りなさい!

     会場が掃けたら説明いたしますから今は拍手!

     ただ喝采を浴びせなさい!


 子息1:何故ですお母さま…


 貴族1:王が認めた。

     周りが称賛している。

     お前はこの意味すら分からんのか?


 子息1:(無言の拍手)


 貴族1:それでいい。

     我ら法衣貴族、潮流の変化を見定めねば

     複雑怪奇な宮廷を泳ぎ切れぬのだからな……



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