28.この木はたぶんあの木だろ
■28.この木はたぶんあの木だろ■
【リリース】:第三十二幕二席
【作詞】:ポメロ
【作曲】:ポメロ
【V.】:ポメロ
【熱情の名前】:なし
【熱情の形状】:なし
【内容】:
律詩、絶句、短歌、七行詩。
文字数を縛り、定型を科すことで
足りぬ世界の空白を読み手のイマジナリーに埋めさせる。
そういった形式は枚挙に暇がない。
だが、そうした流行は既に古典と見なされ、
節回しをつけ、詩が揺になる頃には、
もはや伝統派すら過去の遺物と評するほどの
形骸と化していた。
それが、今風の衣を纏い。
若きアーバントルバドールの手によって新生した。
かつて「ヤダ」という楽曲によって
感情以前の「感覚」を鋭く抉り出した彼の感性は、
ついに想い出以前の想い出を描くに至った。
困ったことに、この想い出の源泉に確たる形も
言い表す名も存在しない。
だが彼はそれでいいと歌っている。
それだけの歌。
故に、誰の記憶にも届く。
【歌詞抜粋】:
♪―― この木はたぶんあの木だろ
♪―― 思い出せないこともないけど
♪―― 考え込むと目が覚めるから
♪―― 思い出せないままでいい
♪―― 思い出せないままがいい
テイチク:
おいてめえポメロ!
なんだこれは!?
なんだって師匠が聞いてんだ
とっとと答えやがれこん畜生!
このスコアだよ。
この歌詞だよ。
てめえ…… これ、届いてるじゃねえかバカヤロー!
こんなふわっふわなよう……
昼寝の一番気持ちいいところを切り取ってるクセに……
含意が多すぎるクセに肝心な所を聞き手に委ねやがって!
ギターもギターだ!
ゆらゆらした高音弦をぴちぴち爪弾きながらも、
一拍目は必ず低音弦!
それがあるから曲が曲の体を成す!
夢に霧散しないで輪郭を保つ!
畜生め……
おいらの教えを遵守しながらも、
きっちりてめえならではの個性も魅せやがる。
合格だぜこのスットコドッコイ!
よくもまあこんなもん作ってくれたなこん畜生!




