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トルバドーれ! ライナーノーツ  作者: 袴田八峰


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26.葬送歌


■26.葬送歌■


 【リリース】:第三十一幕三席


 【作詞】:ポメロ


 【作曲】:ポメロ


 【V.】:ポメロ


 【源泉】:ブルーズの水たまり


 【内容】:

 

   アコースティックギター。

   アルペジオ。

   16分音符。

   それが休むことなく、冒頭から終幕まで鳴り続けているが、

   決して忙しなさや急き立てられる感じを抱かせず、

   かえってロングスパンの時間の流れを想起させる。


   コード進行は意外にも伝統派の福音とまで言われている

   『かねのね』を踏襲しており、

   I - V - VIm - IIIm - IV - I - IV - Vとなっています。

   

   アルペジオが1音ずつ階段を降りるように下がっていく様が

   妙な浮遊感と回想欲を搔き立てる。

   この効果を狙ってのことだろう。


   対して、歌は淡々と響く。

   極めて客観的に、排他的に。

   あくまで他人事という距離の取り方であるにもかかわらず、

   それでいてどこかぬくもりを持って。


   うらぶれた飲み屋でのサシ飲みで勘定を済ませ、

   暖簾を出る―― その瞬間に、ぽん、と肩を叩かれたような。

   そんな感慨を抱かせる一曲。


   なお、この曲の初出は八番舞台応接室にての、

   極めて個人的な送別の曲であったと記録に残っているが、

   ここで送られた人物は定かではない。

   だが当時の八番舞台興行主はこう記している。


   「あの人は確かにここで生まれ変わったわ」



 語り手おねえさん:

   一応、このお話に出てくる楽曲は、

   まったく何もないところからひねり出したか、

   モデルイメージは持ちながらも改変しているものが

   殆どですが、三曲ほど例外があります。


   うち一曲はこの曲。

   中島みゆきの「時代」なんですね。


   それを筆者の人はどうにかこうにかエッセンス抽出して、

   ポメロっぽい楽曲に仕立て上げようと苦心したそうですが……

   はい、敗北したそうです。

   葬送歌が、遺物の葬送を以て明日を生きるための背中を押す

   ってテーマである以上、

   「時代」を弄ることがどうしてもできなかったとか。


   あと二曲はテイチク師匠のモデル、小林亜星の曲で、

   やはり曲の持つ芳醇すぎるイメージと、

   秒で綴れ! の短くてキャッチー過ぎる楽曲に、

   なす術も無く叩き伏せられたそうです。


   はい、チェルシーの歌のことです。

   あと一曲は……

   いずれ出てくるテイチク師匠主役回(ほんもののブルーズ)のタイトルを

   お楽しみに、ということで。


   



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