コラム:五番舞台
◆ 五番舞台 ◆
語り手おねえさん:
●五番舞台の特徴って?
今は揶揄を込めて「かつてのメインストリーム」なんて呼ばれてます。
ジャンル的にはカントリー、フォーク、ムード歌謡などですね。
実は「改革派」と呼ばれた元祖はここにあるんです。
ライデンステーションの電力による電子楽器革命以前、
土着の民族音楽を見つめなおすことで、
彼等は権威化していた「伝統派」音楽の硬直性を鋭く喝破し、
一つのムーブメントと時代を気づいたわけです。
●なんで「かつて」なの?
理由は二つあります。
一つは先ほど単語だけはでてきた「電子楽器革命」ですね。
伝統派からの完全な脱却は、アコースティックから完全に独立せねば
成り立たないという、いわば構造的変化に伴う陳腐化。
ロック、ハウス、テクノを代表する電子楽器を主とするジャンルの出現と、
ジャンルはそのままに楽器だけを電子化する時代に寄り添う変化。
これがカントリー、フォークの精神に合わなかった。
もう一つは「アップルの出現」です。
トルバドールスタイルから一転して「演出家」に転身した彼女は、
温めていた「アイドル」という概念を瞬く間に世に広め、
それまでノージャンルでライブパフォーマンス重視の舞台を作って来た
七番舞台を半ば乗っ取る形で手中に収めてしまいました。
この試みが一時は「アイドル一強」と言われる時代を作ったのですね。
こうした時代の変化を頑なに受け入れなかった結果、
五番舞台は硬直化し、「年寄りの郷愁」扱いされてゆくことになります。
●ポメロは「ジャンル横断者」なのに五番舞台に立たないの?
はい。
実は「上から10!」初出場からしばらくして、
五番舞台に立つとか立たないとかでひと悶着するエピソードがありました。
私の方でカットしましたけど。
「上から10!」の二回目登場時に同席した、
カントリー界のニューウェーブ少女の依頼の元、
五番舞台に新風を吹かせるというミッションに挑むもののーー
かつて権威に逆らい、革新を魂を宿していた当初のアーティストたちが、
実は嫌っていたはずの権威(老害)化してしまい、
少女やポメロの吹かす新風を受け入れられず……
そんな構造の硬直化をテーマに繰り広げられたお話が、
確かにあったのですよ。
私の方でカットしましたけど。
この話をやると、まあ大体三話分くらいになる冗長さと、
権威関係は伝統派だけでお腹いっぱいだよねという判断ですね。
ポメロの成長の軌跡から外れる、社会構造の話になりますし。




