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トルバドーれ! ライナーノーツ  作者: 袴田八峰


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16.僕が愛されないなんて許されるわけがない


■16.僕が愛されないなんて許されるわけがない■


 【リリース】:第十八幕四席


 【作詞】:ポメロ&アンドレック


 【作曲】:ポメロ


 【V.】:アンドレック


 【熱情の名前】:かまって


 【熱情の形状】:筐体の中のみを跳ね回るピンボール


 【内容】:

 

   曲調はバラードだが、語りのようでもある。

   実際、ビクター家に所蔵されているポメロのスコアには、

   アンドレック様に向けてのコメントが記されている。


   『テンポやリズムキープは気にするな。

    感情の赴くまま走れ。

    抑揚をつけるように速度に強弱をつけろ』


   この歌が再発見されたのはスコアが記されてから

   百年以上経過した世代のことであり、

   当時はかのポメロ氏の新曲が発見されたとして

   界隈をどよもしたものだが、

   歌詞の内容が極めてビクター家の私的なものだったとして、

   発表や再演は差し控えられている。




 後の音楽史家:

  アンドレック様と言えば聡明かつ果断な改革者であるとともに、

  カーネギー中興の祖であることは歴史上明白ではあるが、

  幼少期にかようなお寂しい想いをされていたとは知られていなかった。

  それどころか、アンドレック様の音楽的右腕とされている

  マエストロ・ポメロと、この幼少期から私的な音楽的交流があったことは、

  カーネギー史の再発見と言えよう。


  成程、このスコアから読み取れる二人の関係からすれば、

  マエストロ・ポメロがなぜ一介の田舎の青年から、

  名誉貴族の授与、そしてリノ・ビクター嬢を娶るまでに至ったのか

  見えてくるものは多い。


  アンドレック様とマエストロ・ポメロの間には、

  主君と従者という言葉では括り切れない、情の通った――

  家族の如き情と縁があったのだろう。


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