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トルバドーれ! ライナーノーツ  作者: 袴田八峰


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15.バイバイ。

■15.バイバイ。■


 【リリース】:第十七幕四席


 【作詞】:ポメロ


 【作曲】:ポメロ


 【V.】:ポメロ


 【熱情の名前】:身勝手な感傷


 【熱情の形状】:トレンチコートと中折れ帽の背を向ける男


 【内容】:

 

  イントロからしてもう男の美学の結晶である。

  破滅へ向かう男の足音のような緊迫感を、

  低音弦の激しい親指での消音と、狂おしいストロークの強弱だけで

  表現している。


  Aメロでは、男の冷徹な決意を示すように、

  弦を1本ずつ爪弾く静かなアルペジオ。

  しかし、サビに向かって感情が昂るにつれ、

  ギターのボディを叩くパーカッショニスタ的なアタック音が混ざり始める。  

  まるで、胸の内で暴れる想いでの断片とやるせない感情が、

  そのまま楽器のノイズとなって漏れ出しているかのようだ。


  徹底的に自己中心的なロマンティシズムが、

  ある種文学的な着飾った言葉で綴られており、

  最愛の存在の最期を「極上のアクセサリー」のように身にまとい、

  自らの野心を正当化するための「燃料」にする。

  その身勝手さを、誰よりもポメロ自身が「憐れんで」歌うという構造が、

  この曲の最も歪んだ魅力であると言えよう。



 【歌詞抜粋】:

 

   ♪── 泣きわめいてくれ、ののしってくれ、

   ♪── そのナイフを俺の胸に突き立ててくれ!

   

   ♪── 『ひとでなし』。


   ♪── それでも俺はここを出てゆくよ。

   ♪── きっと道の半ばで野垂れ死ぬんだろうけど。


   ♪── 『バイバイ』。




 ギター仙人:

   いるものなんですねぇ……

   こういった天然ものの表現者というものが。


   私はこのようにそれなりに齢を重ねておる以上、

   様々な方々と交流を重ね、また多くの人々を見て参りましたが、

   はっきり申しましてこのポメロくんは異才です。


   なんというか純朴な人柄で、性根は善良であるのですが、

   人として普通は開けることのできない埒が、

   なぜか既に開いておるのですな。

   恐ろしいことに。


   そこに、表現者としての『業』が乗ぜられる。

   もう立派な怪物でございますよ。


   ただ、まあ……

   私も彼と同じく『業』の深い男にございますので。

   私との問答にて「ひとでなし」の覚悟を抱いたポメロ君が、

   行く末、どんな完成を迎えるのか。


   私にお迎えが来る前に見せて欲しいところでございますな。

   ほっほっほ。


   少年の事、頼みましたぞ。

   我が友、「高齢童貞」。

  


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