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トルバドーれ! ライナーノーツ  作者: 袴田八峰


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09.ここらで一杯、茶が欲しい。


■09.ここらで一杯、茶が欲しい。■


 【リリース】:第四幕三席


 【作詞】:ポメロ


 【作曲】:ポメロ


 【V.】:ポメロ


 【熱情の名前】:疲労感


 【熱情の形状】:ぐんでり横たわってこちらを見上げている人型


 【内容】:

 

  疲労困憊の極みにあるポメロが自らを労い、

  休息を取らせるために作ったヒーリングソング。

  優しい自己おせっかいの歌とも。


  あえて疲労感を隠さずに、喉を使わずに口蓋に籠らせる歌唱法。

  演奏もまたオールドトルバドールスタイルでありながら、

  極めて手数は少なく、フレットの移動も3フレットで収まる。

  歌と合わせてようやくコード進行がわかる程度の省エネ楽曲。


  曲調としてはボサノバに属し、二拍め四拍めにスラムを入れて

  ともすればテンポ崩れを起こしがちな曲を引き締める。

  まるで寝落ちしていないことを聴衆に知らしめるように。


  が。


  この楽曲が初めて公式発表されたのは地獄の13番舞台……

  狂乱するオーディエンス亡者に対し、セットリストを無視して投入。

  

  『お前らうるさいからこの歌聞いて鎮まれ』

  

  という彼の唯我独尊暴挙は、

  賛否の嵐と混乱の渦を楽壇に巻き起こし、

  ポメロの名を有識者界隈に知らしめる契機となりました。



 【歌詞抜粋】:


  素敵なチルタイム。

  午後の太陽。

  デッキチェア。


   じわりと滲む汗にそよ吹く風。

   頭が働かない。

   いいよね、それで。


   ああ、なんだか喉が渇いてきたなあ。

   

   ここらで一杯、茶が欲しい。



 アンド:お前がポメロの楽曲で一番評価しているのが

     この曲であるのだと聞くが?

     僕にはイマイチ良さが解りかねる故、解説せよ。


 ハルモ:この歌ね…… 沁みるんですよ。

     疲れた心と体に、すっと。

   

 ゲッテ:わかる…… わかるぞハルモニア。

     私もかつて諜報部に命じてポメロを調査した折に

     この曲に出会い、思わず欠伸を漏らしたものだ。


 アンド:父上!?


 モトロ:伝統技法に照らし合わせれば論外も論外。

     であるにも関わらず強く精神に訴求……

     いや、浸透してくる恐ろしい曲です。

     僧帽筋、肩甲挙筋にカタボリックを強いるのですから。


 アンド:マエストロ・モトロードまでも!?


 ヒゲ王:ふむ。

     それほどまでにリラックスできたというのなら

     ワシも一度聞いてみたいものよの。

     さすればこの巌の如く凝り固まった顔面の筋肉も、

     ほぐれることがあるやもしれぬ。


 アンド:威厳に溢れるかんばせは筋肉の凝りだった!?


 A・T:やー、ワンフレーズですとんと冷静にさせるこの作為!

     確信犯ですよ、彼はただ物じゃありませんね。


 アンド:誰だお前!?



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