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勇者主催のたこ焼きパーティー開始!

「うわぁ、おっきなタコ…!」



「これが海に巣食う魔物の正体か?」



 討伐されたキラーオクトパスに船で近づき、巨大な魔物の姿を見てアマンダもカリーノも驚いている様子だ。



「そうそう、魚や海老をめっちゃ食うって話だったからねぇ。ついさっきも海老食べられたし!」



 船へと戻った魔王と勇者、アリナは先程起こった事について船に残った者達へ伝えていた。



「というかアリナ、すっごい無茶したよね?自分からテンペスタに飛び込んでキラーオクトパスと共に舞い上がるなんて」



 自分の魔法に巻き込まれて大丈夫かと、コリンはアリナの姿を見れば無事そうなので内心ホッとしていた。



「だってそうじゃないと地上に上がってあのタコをすぐぶった斬れないからねー。ま、結果オーライだって♪」



 自分は大丈夫と、アピールするようにアリナがコリンへと明るく笑いかける。



「(一歩間違えたらアリナが大変な目に遭ってたかもしれないのに…)」



 自分の魔法に飛び込んで行くのは、流石に無茶が過ぎる。



 笑顔のアリナにコリンは珍しく笑顔で返せなかった。




「こいつが退治されたので不漁の問題は解決しそうだが…これはどうするのだ?」



 アマンダの視線の先には倒されたキラーオクトパス、この魔物をどうするのかと皆へ問う。



「勿論倒しちゃったから食べて供養してあげるのが礼儀ってもんじゃないですかー?」



「え、食べられるのこれ!?」



「知らない?タコって美味しいんだよ」



 この巨大な魔物を食す、カリーノはアリナの言葉に驚きながら大ダコを見上げる。



 どう料理するのかは、アリナの中で考えが既に決まっていた。





「おい…なんだあれ…!?」



 メル村の見張り役を務める男が、巨大な物を引きずって海の上を走る小型船の存在に気付く。



 それに村人達が次々と海へ注目し、ザワザワと騒がしくなってきた。



「なぁぁ!?」



 コリン達の船が戻って来たのに気付いたのと同時に、キラーオクトパスの存在が目に入れば多くの者が驚いてしまう。



 急に巨大な生物が村に接近してくると分かれば、誰でも当然そうなり、恐れを抱くだろう。



 しかし船の上で明るく手を振るコリン達の姿を見れば、その恐れを持つ事は無かった。




「皆の者、不漁の原因はこの魔物だと分かった。キラーオクトパスと呼ばれるらしい」



「魔物…!この大きなタコが食い荒らしていたという訳ですか!?」



 巨大ダコを前に未だ驚きが残る村長、アマンダは村人達へ説明していく。



「こいつが魚や海老を好んでいたようでな、だが脅威は去った!皆安心して良いぞ!」



「おお!アマンダ女王ありがとうございます!」



「不漁を解決してくれるとは!アマンダ女王万歳ー!」



 全部アリナやマルシャから説明を受けて、それを伝えただけだが、村人達からはアマンダを讃える声が次々と出て来る。



 手柄についてはコリンもアリナも執着していなかった、むしろアマンダに注目された方が何かと都合が良い。



 それよりもアリナはやるべき事があった。



「さあさあ今宵はこの巨大ダコを調理して皆で食べようと思います!」



 魔物を食べるとなって、村人達は大丈夫なのかと不安そうな表情を見せる。



「誰かー、小麦粉に玉子に水持ってきてくれるかなー?後なんか料理に使うでっかい器!」



 アリナが要求すると、村人達がそれぞれの家から材料を持って来ていた。



 用意してくれた器に水や、小麦粉を入れれば玉子も割って入れていく。


 それを混ぜて生地を作り出す。



「あー、後鉄板は無い!?」



 再びアリナが要求すると、村の男達で鉄板が運び出されて目の前に置かれる。



「流石にこのままじゃ無理だからー…」



 綺麗な状態の鉄板を見て、アリナは突然拳を振り下ろす。



「あたたたたたーー!!」



 鉄板へ次々と拳を当てていくアリナ、たちまち鉄板は丸く穴が空いて凹まされていた。



 一体何がしたいんだと、村人達はただ呆然とこの状況を見守るしかない。




 そこに生地を流し込み、キラーオクトパスの足を1本軽くぶつ切りにして生地と共に、鉄板の穴へ放り込む。



「コリン君よろしくー!」



「ブローエルド」



 コリンの唱えた青き炎の魔法、かなり加減して鉄板の下に灯せば表面はどんどん熱されていく。



 そこから丸い形をした食べ物が完成へ近づいていた。



「流石に異世界で青のりやかつお節は無いよねぇ…誰かソース無いー!?」



「あ…うちので良ければ…」



 ソースを要求するアリナに、女性が家にあるソースを分けてくれた。



 出来上がった1個にアリナは小さな串を刺して、ソースを軽くかけると口の中に放り込んで食す。



「良し!美味い!皆ー、これがたこ焼きだよー♪」



 元の世界とはやや違う、だがこれはこれで美味いと感じ、安心して食えると判断すればアリナは皆へと振る舞う。



「たこ焼き…?」



「何だそれ…けど、何か美味そうな匂いするな…」



「ああ、ソースの良い香りが…!」



 未知の食べ物に恐れを抱く村人だったが、食欲を刺激してくる匂いに釣られて1人が我慢出来ずにアリナから食べ方を教わり、串に刺して1個食す。



「美味ぇ!?何だこれ!皆美味いぞ!」



「本当か!?俺も1個!」



「私も食べたい!」



「ワシにもくれ!」



 皆が食べたいとなって、たこ焼きの鉄板の前にはあっという間に大勢の人が集い出した。




「たこ焼き…こんなの初めて見るけど、美味しい…!」



「うむ、外がカリッとした食感に中身がふわっと溶けるような…なんとも不思議な食べ物だ…妾も食べた事が無い!」



 たこ焼きを知らないアマンダやカリーノも、初のたこ焼きに美味しいと感じておかわりをしていく。



「あっぢ!?かなりあちぃなこれ…!」



「マルシャ熱いの苦手だもんねー」



 熱そうにたこ焼きを食べるマルシャに、コリンも初めてのたこ焼きを美味しく食べていた。



「これが本当のタコパだね♪ジャンジャン焼いてくから待っててー!」



 アリナの方は自分で食べつつも、皆へとたこ焼きを振る舞い続ける。


 現実世界で言えば、祭りの屋台の店主を思わせていた。




 たこ焼きの宴は続き、メル村の夜は深まる。

此処まで見ていただきありがとうございます。


アリナ「ふう〜、祭りで屋台の手伝いの時にたこ焼きを焼いた経験が生きたねー」


コリン「色々やっててアリナって多彩だよね」


アリナ「そりゃ大人のお姉さんですから経験値は高いですよー!」

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