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ドキドキの海底探索!突然の告白で魔王と勇者の仲が急接近!?

「魔物…だと?この海に居るのか!?」



 魔物が居るとマルシャの言葉を聞き、場に緊張が走る。



 アマンダの視線は左右を見ており魔物の姿を探す。



「陸の上からは見ても見つからねぇと思うぜ、気配は下から伝わって来たからよ」



「下っていうと…海底?」



「そういうこった」



 下と聞けば周囲は海ばかり、つまり海底しかない。



 カリーノに正解を伝えた後、マルシャが更に話を続ける。



「おそらく海底にそういう物を好む魔物が住みつき始めて、好き放題に貪り食ってんだろうな。感じる魔物の気配に村の連中が言っていた突然の不漁…間違いねぇだろ」



「つまり海底に巣食うのをなんとかすれば解決だねー」



 海底に居る魔物、マルシャの話を聞いてコリンは理解した。




「けど海底だよね?魔物と来ればアマンダ女王様やカリーノ君を向かわせられないし、あたしとコリン君って事になっちゃうけど…」



 自身の赤髪を軽く右手で掻きながら、アリナが話を続ける。



「素潜りでそんな海底まで行くのはいくらあたしが凄くて、学生時代に水泳大会優勝してても無理だよー」



 実は元の時代にて、中学生の時に水泳部だったアリナ。


 泳ぎは得意だが海底まで何の道具も無しに、素潜りで行くのは流石に無理がある。



「僕も普通に行くのは無理だよ、だから魔法の出番♪」



「わあい万能〜♪」



 コリンも素潜りで行くのは無理だが、魔法を使えば可能だと明るい笑顔で言えば、アリナは内心でチート万歳!と叫ぶ。




 海底へ行くのはやはりコリンとアリナ、魔物と戦える2人が向かうのは確定だった。



 アマンダとカリーノは船で留守番、その2人を守る為にマルシャも残る。


 海中の移動は苦手との事で元々行く予定は無かった。



「うーん、折角だからこのままの格好は味気ないかなぁ。海という事でコリン君着替えようか!」



「え?」



 突然アリナから着替えようと言われ、コリンは意味が分からないままに流されていく。




「やっぱ海と言えば水着っしょ♪」



「なる必要あったかなぁ…?」



 アリナは何時の間にか服の下に水着を着ていたらしく、そのまま脱げば白いビキニ姿となっていた。



 コリンの方は黒い海水パンツと、右手に愛用の杖というスタイルだ。



「これがゲームとかだったら絶対こうなるから!あたし達もなっておいた方が良いと思うんだよー」



「言ってる事はよく分からないけど…水着を着たかったんだね」



 ソシャゲじゃ夏イベントに夏ガチャとか人気だし、と呟くアリナ。


 コリンは魔法の準備へと入った。



 自身とアリナに施すと、2人の体から白いオーラのような物が発生。



 これで海の中でも息が出来るとの事だ。



「頼んだぞ」



「いってらっしゃい」



 海底へ向かう2人に、アマンダとカリーノはそれぞれ声をかける。



「じゃ、行ってきまーす」



 船の上からアリナは飛び込んで海に入り、コリンもそれに続いた。





「あ、凄い!本当に息が出来るよー!」



「此処から海底まで泳いで行こう」



 白い光に包まれたコリンとアリナは水中でも息をする事が可能となり、2人は海底を目指して泳ぐ。



 海に生息する魚が群れで優雅に泳ぎ、陸の上からでは見る事の出来ない、海中の絶景が魔王と勇者を歓迎するように広がっていた。



「(うーん、良いねー♪何の道具も無くダイビングが出来るの最高ー!)」



 本来何の道具も無しで海に潜るのは不可能、現実の世界では色々な装備を身に着けて重装備だったが、身軽な状態で自由に海を移動出来てアリナは楽しく感じた。



 やがて2人の足が海の底に着き、目的地の海底に辿り着く。



「マルシャが言うにはこの辺りだけど〜…」



「魔物…いないねぇ」



 2人が辺りを見回しても魔物らしき物はおらず、居るのは海で日常を送る魚と海底に潜む海老ぐらいだ。




「(あれ?というかこれ2人きりだよね、海底で神秘的な雰囲気するし今行けそう?)」



 アリナは今更ながら今の状況を振り返る。



 アマンダやカリーノは留守番、何時もコリンの側に居るマルシャも上の2人と残っていた。



 つまり魔王と勇者の2人きりだ。




「ねえ、コリン君…」



「ん?なに…!?」



 突然アリナはコリンを後ろからギュッと抱き締めて来た。



「え、あ…あの…?」



 身長差があるコリンとアリナ、彼の頭にはむにゅっと柔らかい感触が伝わり当たっていた。



 それが何なのか分かると魔王の心拍数は急上昇、顔は一気に赤く染まる。



「こんな状況だけど、2人きりで今しか言えないから言っちゃうけどさ…」



 後ろから密着するアリナはコリンの耳元で囁く。




「あたしコリン君の事…好きだよ」



「っ!?」



 好きの意味を勘違いする程コリンは鈍感ではない。



 友愛ではなく異性としての愛をアリナは伝えて来たのだ。



「アマンダ女王が言い寄ってるの見て気付いたんだ、見ててモヤモヤしたりイライラしたりだったから。ああ…あたし本気で好きになっちゃったんだなぁって」



「そう…なんだ…」



 後ろからアリナに抱きしめられたまま、コリンはドキドキしながらも勇者の告白を聞き続ける。



「可愛い所も勇ましい所も皆仲良くのんびりまったりの世界を作ろうとしてる所も全部好き、たまらなく好き」



「アリナ…」



 コリンがその名を呟いた後、アリナは更にコリンをギュッと抱き締める。



「ねぇ、コリン君は…あたしの事をどう思ってる?」



「え…」



「こっち向いて答えて」



 魔法を使っていない上に無抵抗のコリン、アリナとの力の差は体格も含めて歴然としており、容易くアリナは魔王を正面へ振り向かせた。



 正面からアリナがコリンの背中に両腕を回し、顔をじっと見つめている状態だ。



「敵を容赦無く痛めつけて、怖い女で嫌いだなって思ってる?」



「!そんなの思ってない全然!」



 自分を嫌いかと言うアリナの言葉に、コリンは彼女の顔を見上げて言い切る。



「じゃあ…好き?友達とかじゃなく…女としてさ」



「…!?」



 頬を赤く染めたアリナに見つめられたまま言われ、コリンの心臓は高鳴るばかりだ。



 彼女の顔を見つめると、ドキドキして言葉が出て来ない。魔族として長く生きてきて初めての経験だった。




 その時、アリナはスッと両目を閉じて、コリンへと顔を近づけて行く。



「あ…」



 2人の顔の距離がどんどん縮まり、コリンの胸の鼓動がより高鳴る。



 やがてコリンも目を閉じると、2人の唇が後僅かで重なる所まで来ていた。





 しかしその触れる直前、全てをぶち壊すような叫び声が響く。



「ーーーーー!!」



「!」



 2人がその気配に気づき、離れる。



 そこに現れたのは巨大なタコだった。




「ガチで空気読めやこのタコがぁぁーーー!!」



 アリナによる怒りの叫び声が海底で木霊していく…。

此処まで見ていただきありがとうございます。


アマンダ「どのような魔物が巣食うのか気になる以上に…アリナがコリンに言い寄っていないか気になる!」


マルシャ「最近此処女王と勇者のコリン争奪戦になってねぇか?」


カリーノ「なってるね…高確率で」

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