謎の不漁を探りに海へ調査!あれ、水着イベントじゃない?
馬車はエノルム王国を出て前進していく。
まさか一国の女王がこの馬車に乗って国を抜け出しているなど、誰も想像がつかないだろう。
「エルフの暮らす里って言うと、やっぱ緑豊かな森の中…カリーノ君合ってるかな?」
「うん、森の奥深くで村を作って暮らしてる。それがエルフ族の過ごし方だから」
「だろうねぇ〜…」
アリナとカリーノで元々居たエルフの里について話し、環境について住んでいた本人から、人目が付きにくい森の奥深くで生活してる事を教えてもらう。
その後にアリナが馬車から見える景色を眺めると。
目の前には砂浜と何処までも広がる海だった。
「森も何も無いじゃんー!?絶対此処違うよねー!」
アリナの叫び声が響き渡る。
確実にカリーノの元々居た場所とは程遠い、どうやら馬車は海沿いを移動しているようだ。
「この辺りはマーレッド王国の領だな、彼らには新鮮な海の幸を提供してもらっている」
「エビとかムニエルとか美味しかったなぁー」
マーレッド王国についてアマンダが語っていると、コリンはエノルム王国で頂いた魚介類の料理を思い出す。
「という事は本格的な海の幸がその王国では食べられると、楽しみ〜♪」
「飯を食う旅じゃねぇだろ」
「猫だから魚好きだし、楽しみじゃないのー?」
「猫言うな!」
猫と言われたマルシャはシャー、と威嚇するもアリナには効果無し。
「あはは」
そのやり取りを見てカリーノは笑っていた。
コリン達に同行してから少し経つが、段々と馴染んできている。
長い時間走り続けて馬にも疲れが見えて来たと判断し、休ませる為に馬車を近くの村へと止めた。
マーレッド王国領内にある、海沿いの村メル。
海へ漁に出る為の小型船がいくつかあるのが見える。
「アマンダ女王様!?どうしてこのような場所にわざわざ…!?」
女王の急な訪問に、当然村の者達は驚く。
ざわつく中でメル村の村長が杖を突きながら話す。
「いきなりの訪問ですまない、少々訳あって各国を巡っていてな」
アマンダは此処に来た理由について、馬を休ませる為だと伝える。
「この村で良ければいくらでも休んで行ってくだされ、自慢の海の幸も用意したい所ですが…」
「何かあったの?」
村長だけでなく、周囲の村人も浮かない顔を見せていた。
それが気になり横からコリンが口を挟む。
「実は…昨日から不漁が続いてしまっとるのですよ」
「不漁?珍しいな」
海沿いで豊富に海の幸が取れるはずの場所、そこで不漁とはどういう事なのか。
女王としてこれは放置出来ず、アマンダは話を聞く。
「昨日からなのでまだ蓄えはありますが、このまま不漁が続くとなると…」
今まで無かった不漁に、村長は深くため息をついていた。
「美味しいエビピラフとか食べられなくなるかもしれないって事!?一大事じゃん!」
アリナの好物であるエビピラフ、そこに大きく影響する危機に勇者が反応する。
確かにこのまま不漁が続き、提供が困難になってくれば人々の食卓や飲食店等に、いずれ必ず影響するだろう。
コリンも皆が困っているこの状況、解決して皆を明るくさせたいと思っている。
「話は分かった、原因について我々で調べてみる事にする」
「ありがとうございます!」
不漁の原因について探ると言うアマンダの言葉に、村長や村人達は深く感謝しながら頭を下げた。
どちらにしても馬が回復するまで、此処に滞在する予定だった。
その間に解決して、再び旅立てればベストだろう。
「善は急げだ。何時もどの辺りで漁をしているのか案内を頼めるか?」
「あ、それなら俺達が!」
早速すぐに実行しようと、アマンダは詳しい場所を求める。
そこに3人の男が手を挙げた、日に焼けて逞しい筋肉を持つ辺りメル村の漁師と見て間違いない。
漁師の乗る船とコリン達の乗る船が、村人達の手によって運び出されて海に浮かせる。
各自乗り込めば大海原へと2隻の船は前進。
「確かこの辺りだったよな?」
「ああ、間違い無ぇよ。此処です皆さん!」
先行した漁師達が何時も漁をする場所を探し、到着すれば後方に居るコリン達の船へ大声で伝えた。
「ありがとうー、皆は先に村戻って良いよー!此処までの道は覚えたから!」
コリンは大声で漁師に村へ戻るよう伝え、漁師達の船は引き返して行き、一行の船だけが海に残る。
「コリン、彼らを先に帰すのか?地元を知る漁師は頼りになりそうだが…」
「万が一の為だよ」
どんな危険があるのか分からない、タフな海の男なら頼れるだろうが魔王や勇者からすれば、ただの一般市民と変わらない。
一大事が起こる前に帰し、アマンダと会話を交わした後にコリンはマルシャへと振り返った。
「急な不漁、つまり…何か近辺に居る可能性あるよねマルシャ?」
「ああ、さっきからビンビンに伝わって来やがる」
魔王を守護する白猫、マルシャはこの中の誰よりもいち早く察知していた。
「厄介な…魔物の気配がよ」
此処まで見ていただきありがとうございます。
アリナ「海だけど水着回とかじゃないのー?こういう時こそお色気やってかなきゃ駄目でしょう!?」
マルシャ「いや、船乗ってるし水着の必要無ぇだろ」
アマンダ「何だ…水着を色々用意は出来たというのに、ちなみにコリンはどんなのが好きだ?」
コリン「え、え〜…」
アリナ「さり気なく誘惑スタートは無しですよー」
カリーノ「いつの間にか此処も賑やかになってきたなぁ…」




