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夜空の下で魔王と勇者、最後何か怪しいの居る?

 コリンは1人、村の広場にて座り、夜空を眺めている。



 夜も更けて殆どの者が寝静まる中で子供が1人、夜出歩くのは本来危険だが、魔王であるコリンならば心配無用だろう。



 何時もの相方の白猫は寝床で夢の中、正真正銘コリン1人だ。



「(良い1日だったなぁ〜)」



 今日起きた事を自身で振り返る。



 最初は陰気な雰囲気に包まれていたルスティカ村、村長のゴラスを始めとして皆が魔物の存在、それに恐怖を通り越して諦めの境地にまで辿り着いていた。



 その中でクレアは1人、動物達の世話をしたりと彼女は村が絶望に追い込まれても怠っていない。


 これにコリンは村を明るくさせる決意を固めたのだ。



 襲撃して来るゴブリンやオーガ、それをコリンとアリナの2人で撃破し、魔物の悪い心を取り除き、荒らした作物を自分の手で育て直す。



 そこから村は1つとなり、再び農業に勤しむようになって活気が戻って来た。



 皆で汗を流し、共に食べて飲んで、笑い合う。そこに人も魔物も関係無い。



 宴の光景を思い出せばコリンの口元は自然と笑みが出て来る。




「こーら、子供が夜更かししたら駄目〜…ってコリン君900歳だから年齢的に全然OKかぁ」



 物思いにふけっていた時、アリナの声がした。



 コリンの視線の先には軽装の鎧を外した彼女がそこに立つ。



「アリナ、眠れない?」



「あー、ていうか起きちゃったから軽く夜の散歩に洒落込もうかなぁってなって、そんでぶらついてたらコリン君が居たって訳」



 一睡も出来ないという訳ではなかった、仮眠に近いぐらいの睡眠時間は取れている。


 お手洗いに行ったら、それで目が冴えてしまったのでアリナは軽く散歩に出ていたのだ。




「うーん、盗賊団に魔物の集団、結構戦ったねぇ。どれも相手にはならなかったけど」



 コリンの隣に腰掛けると、アリナはうーんと両腕を伸ばしながら、これまでの事を振り返る。



 ブレイザ盗賊団にゴブリン軍団とオーガ、普通なら2人だけでなんとか出来る相手では決して無いが、そもそもこの2人は普通ではなかった。



 とんでもない強さを誇る魔王と勇者なのだから。



「アリナってさ、どうやってそんな強くなったの?魔族でもあそこまで凄いのって中々見ないよ」



 間近で見てきたアリナの戦い、剣などを持たず主に素手で戦い武術とはまた違う戦い方を彼女はしてきた。



「前言わなかったっけ?露出度高めのきわっきわな衣装着た女神様っぽい金髪美女がこの世界来る前に能力をくれたの、戦えば戦う程に能力が増して強くなるっていう」



「あ〜、何か言ってたかも、それっぽいの」



 自分の事についてべらべらと、アリナが語っていた時に出て来た女神という存在。


 それによって能力を授かったらしく、戦いを重ねれば重ねる程に強くなるという物だった。



「最初はまあレベル1だから、1番弱い魔物と喧嘩してったり徐々に強さを上げてって〜…今日のオーガみたいな大型の魔物を倒せるまでにレベルアップしたんだよねぇ、いや〜気分は戦闘民族って感じ!?」



「最後はよく分かんないけど、積み重ねがあったんだね」



「そりゃあねぇ、いくらなんでもいきなり凄い能力貰って指先一つで山を破壊とか地面を真っ二つに割るとか無理無理。そんな甘い話はありません!」



 異世界に来たての、鍛えていた頃をアリナはしみじみと思い出していた。


 盗賊団や魔物達を圧倒した彼女も最初から強かった訳ではない、そこに至るまでの積み重ねがちゃんとあったのだ。



「コリン君の方は、やっぱり生まれ持った魔王の力でいきなりあんな凄い魔法が使えるとか?」



「ううん、魔法の本とか読み漁ったりしてたから。本読めるようになったのが600年前で、それから読み尽くすまで500年かかったかな」



「わーお…めっちゃ読書家、人間だと人生5周ぐらいしないと届かないなぁ」



 忘れそうになるが、コリンはこう見えても900歳。



 人間からすれば間違いなく人生の大先輩であり、コリンは気が遠くなるであろう年月を重ねながらも本を読み漁り続けていた。



 炎、氷、雷、水、土、様々な属性の魔法を習得し続け、更には魔族でも難解と言われる空間を超えて移動出来る魔法、それをもマスターする。



 圧倒的なまでの魔力と魔法の才能、コリンは魔王に相応しい力を兼ね備えた魔族だ。




「んで、それに張り合うみたいにザリーも魔法を次々と極めていってね。僕ライバル視されているみたい」



「あ〜…愛しのセオンをコリン君に取られると思って、そんで彼女張り切ったんじゃない?」



「かなぁ?おかげで魔王軍においてすっごい頼れる存在になってるけどね」



 ザリーに一度会っているアリナ、最初のあのコリンとやり取りしていた時を思い出せば、そういった光景は容易に想像出来る。



 分かりやすいわぁ、とつい笑みが零れてしまう程だ。




「今日みたいなの見たら、人と魔が争わず共に過ごせる世界って本当に実現出来ちゃいそうだよねー」



「ううん」



 人と魔物が農作業していたり、共に宴を楽しんだ、アリナが人と魔が共に暮らせる世界が出来そうと口にすると、コリンは首を横に振る。




「出来そうじゃなくて、実現させるんだ。絶対に」



 誰も争わず、共に仲良く暮らせる世界の実現。



 強い決意が込められた瞳でコリンはアリナの方へ、視線を向ければ言い切った。



「(おお、決意を示すショタも良い…♡っと、シリアスな時にこれは良くないか…!)そうだね、うん。やれるねコリン君なら」



 内心でエキサイトするアリナ、それを押し隠してコリンへと微笑んでいる。



「そうなったら、きっと…」



「ん?」



「あ、平和な世界築けそうかなって」



 何かを呟き、アリナに聞こえてコリンは呟いた続きを伝えていた。



「とりあえず、あんま夜更かしは駄目だからそろそろ寝よっかー。また一緒に寝るのもOKだよー?」



「え、あの…それは…」



「ジョークだってー、個室とかじゃないから流石にアウト!じゃ、お先ー♪」



 一緒に寝る?という誘いにコリンはほんのりと顔を赤くし、戸惑いを見せればそれを見てアリナは内心ご馳走様でしたと感謝し、一足先に戻って行った。



「もう〜…」



 最後に1人残ったコリンは軽くため息をついた後、畑へと向かい地面へそっと右手で触れる



「よく育つんだよ〜…」



 それだけ言えば彼も眠ろうと、寝床のある場所へ引き上げた。







「準備は整ったかの?」



「はっ」



 玉座に腰掛ける腰まで伸ばした20代ぐらいの黒髪の女性、右手には扇をもっており自らを仰ぎ、自らに自信があるのか胸元を大胆に開けた赤いドレスの装いで頭にはサークレットを付けている。



 彼女の目の前には跪く鎧の騎士が居た。



「くく、ベッラ帝国の滅ぶ時じゃ。妾が世界の女王となる日がいよいよ来る…」



 口元を扇で隠し、女性は怪しげに笑うのだった。



 魔王の制圧した帝国、そこに魔の手が伸びようとしている…。

此処まで見ていただきありがとうございます。


魔王と勇者の語り合い良い、最後なんなの!?となったり、この作品を応援したいとなったら作品ブックマークに☆やマークをポチッと押して応援いただけると凄い嬉しいです。


アリナ「しかしまあ、今回で多分コリン君とクレアちゃんが良い感じになってそうかなぁ?結構2人で草刈りとかしてたし、あたしも押してく?出会ってまだ数日だけどねー」


マルシャ「何独り言を言ってんだ勇者」


コリン「zzz〜(夢の世界)」

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