鬼火 第18話
拓哉たちは工場内をくまなく調べた。
焦げ跡、配電設備、監視カメラ、周辺の地面──。
考えられる限りの場所を調べ尽くしたが、綾乃たちの仮説を裏付けるような証拠は
何一つ見つからなかった。
綾乃は大きく息をつく。
「やっぱり……駄目ですね。」
「何も出てきません。」
茉里も首を横に振る。
「これでは、高周波が使われたことを証明できないわ。」
現場には重苦しい沈黙が流れた。
その時だった。
『……あの教授。』
拓哉の脳裏に、昨日会った宮前教授の姿が浮かぶ。
「あの工場なんか、消えてなくなればいい。」
そう口にした時の、あの険しい表情。
そして、この土地にまつわる意味深な話──。
拓哉はゆっくり顔を上げた。
「茉里。」
「ここは任せてもいいか。」
茉里は拓哉の表情を見て、小さく頷く。
「ええ。私はもう一度、現場を詳しく調べてみる。」
「何か分かったら連絡するわ。」
「ああ、頼む。」
拓哉は綾乃へ視線を向けた。
「行くぞ。」
「どこへですか?」
「大学だ。」
綾乃は少し驚きながらも頷いた。
「はい!」
二人は再び、宮前教授のいる大学へ向かった。
ほどなくして大学へ到着すると、拓哉は近くを歩いていた一人の男子学生に声を掛けた。
「すみません。」
「宮前教授は、今どちらにいらっしゃいますか?」
「宮前教授……ですか?」
男子学生は不思議そうな顔で二人を見つめた。
その反応は、どこか引っ掛かるものだった。




