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今回は短いです。

☆シオンの視点


 シオンが出仕する前に、エリザベスからの手紙が届いた。


「また却下だったら……」


「悩んでる時間はないですよ。さっさと読んで出かけないと」


「馬車の中で」


「あの手紙を読んで駄目だったら、もう手紙ではどうやったって無理ですよ」


 メリルはシオンから手紙を取り上げると、ペーパーナイフで封を切った。


「どうぞ」


 シオンはメリルを睨むと、覚悟を決めて便箋を広げた。


「『楽しみにお待ちしてます』か。やったぞ!」


「良かったですね。では行ってらっしゃいませ」


「メリルありがとう」


 シオンはいい笑顔で、出かけて行った。





「シオン様、日曜日はエリザベス様に何をプレゼントされますか?」


「ああ、そうだな。また適当に」


「シオン様、日曜日は勝負の時なんですよ。分かってますか?!」


「何で?」


「あんな情熱的な手紙を書いた後なんですから、何かプレゼントを渡して、ビシッと愛を囁いてくださいね!」


「愛を囁くって……」


「言えないなら、態度に出して下さい」


「態度に出すとは?」


「あなたは、うぶな女の子ですか? もう……抱きしめるとか、キスするとかあるでしょう。それ以上は駄目ですが」


「ええっ?! そんなことしても大丈夫なのか?」


「22にもなって何言ってるんですか? 無理やりはもちろん駄目ですよ。とにかく、何事もなかったように、ただ会って帰ってきたら駄目ですよ。結婚を改めて申し込むなり、何でもいいから好意を伝えてきてくださいね。そうそう指輪も何も贈ってないんですから、何か身につけるものを。髪飾りかネックレスでも贈って、つけて差し上げると良いですね」 


「つけ方が分からない」


「教えますから大丈夫ですよ」


「そうだ、食事に行く店を決めないと」


「ああ、やることがいっぱいですね」


 メリルは忙しいと言いながら、嬉しそうに他の使用人に指示を出し始めた。



☆エリザベス視点


約束の日曜日


 エリザベスはドキドキしながら、シオンを待った。


 今日は、一階の応接室で会うことにしている。食事と観劇に連れて行ってくれるらしい。


 シオンが時間通りにやってきた。父と共に玄関で出迎え、シオンと二人で応接室に向かう。


「ベス、気に入ってくれると嬉しいんだが」


 シオンが小さな箱を手渡してくれた。


「ありがとうございます」


 私はリボンをほどいて箱を開けた。


「綺麗!」


 そこにはカラフルな宝石がちりばめられた髪飾りが入っていた。


「俺につけさせてくれないか?」


 シオンが近づいてきて、髪飾りをつけてくれた。


「ありがとうございます。なんだか慣れてるんですね」


「今朝練習したんだ」


 シオンが練習している姿を思い浮かべると自然に笑みが浮かぶ。


「元気そうで良かった」


 シオンが嬉しそうに笑った。


「あの、お手紙ありがとうございました」


「あ、ああ」


 シオンが照れたように、外を見た。


「本当に嬉しかったんです。あんな意地悪な手紙を送り続けてごめんなさい」


「毎日頭を抱えてたよ。手紙を書くのが、恥ずかしくてたまらなかった」


「フフフ」


「店を予約したんだ。食事に行こう」


「ええ」


 私たちは楽しく食事をして、その後お芝居を見に行った。シオン様と沢山話して笑った。幸せで夢のようだった。

 評価は次話を読んでからお願いします。

 次回いよいよ最終回です。

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