表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DOG  作者: 井上たつき
PR
53/86

プレミアの絶滅種

 空の目の前には、美しく輝く桃源郷の月。

「……プレミアの、絶滅種?私がか?」

 コクン、と一つ頷く。

「でも、私がいる。絶滅してないぞ」

『お前は混血だろ』

「ん?」

『お前の国はとうの昔に滅び、存在しない。生き残った人間も混合が進み、純たる血は絶えた。だから『絶滅種』だ』

「バカ言っちゃいけないぞ。滅びてない。みんな元気だ」

『俺もそう思う。だから、お前の力を借りたい』

「私の?何のだ?」

『今、プレミアは高値で売買されている。そうゆうのを集めるのが趣味な変態がいるんだ。お前の家族は外にいるんだろ?それはつまり、奴らが危険ってことだ』

「それはダメだな。助けにいかないと」

『だろ?そこで――いい考えがある』

「なんだ?私にできることなら何でもするぞ。私、みんな助ける」

 月が――恐ろしいほど綺麗に笑った。



 「おい、コラァ~」

 ズカズカと土足でノックもなしに部屋に侵入したフランツ。10秒待って返信が来なかった為、痺れを切らしてマクシミリアンの元へ乗り込んで来たのだ。

「俺を待たせるたァ、いい度胸してんじゃねェか」

 機嫌を損ねたからか、ねちっこく嫌味ったらしい。

「―――!?」

 飛び込んで来た、予想外の光景。それは、床の上で失神している主の姿。

「おいっ!!」

 顔は真っ青に変色し、あの超絶的な美少女の面影は微塵もない。

(……眼鏡……)

 たぶん、仕事をしていてそのまま倒れたのだろう。そこは、自身のデスクのすぐ側。椅子が変な方を向いたままだ。彼の性格からして、こんなことは通常はありえない。

 探し物はデスクの上に、彼らしく綺麗に置かれていた。このアンバランスさからして、使っていなかったと見てまず間違いない。

 マクシミリアンは『共感覚』という特殊な能力の持ち主。目が悪くない彼がいつも眼鏡をしているのはそれのせい。

「!」

 思い出した。

 フランツは血相を変え、即座に動いた。マクシミリアンをそのままで放置し、気を失う直前まで操作していたであろう端末を起動させた。

「……これは……!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ