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DOG  作者: 井上たつき
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天の運命

「……あいつ、どうしてるんだろうな」

 マイロは空を眺めた。陽はもう落ちて、闇夜に星が瞬いている。

 死んだと聞いても、正直信じられなかった。だから、涙を流したことはない。

 まさか、そんなはずがない。そんなことはあり得ない。そう、何度も繰り返した。

 でも、世界は回る。彼女がいなくても。それに気付いて、どうしようもなく虚しくなった。

「この夜空より、もっとだったな」

 彼女の跡は、双子の妹に。

 本当に、似ていなかった。でも、よく似ていた。

 そして、『死んでいない』と知った。そこで初めて、涙が溢れた。

『マイロ!実は私、子供ができたんだよ!』

 それが、彼女とした最後の会話。

『マジでぇ!?やったじゃん!おめでとー!』

 喉から手が出るほど欲して、なかなか恵まれないのを知っていた。「これも運命かな」と諦めかけていたところの、この朗報。自分のことのように嬉しく、二人で飛び跳ねて喜んだ。

『で、お前の旦那サマは誰よ?』

 彼らは、子供ができた相手と結婚する。それが『天の運命』だと言って。

『いないけど』

『はぁ!?父親いんだろ!?』

『いるけど結婚しないもん』

『はぁあ!?』

『それはどうでもいいじゃん』

『いや、よくねぇだろ!!』

『私の子で、一族の子。私の、私たちの家族。これだけで十分。みんなも大喜びだし』

『だからってなぁ……』

『ねぇ?』


「……フジ」


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