魔王軍緊急会議
魔王軍上層部が集められた
オーガ、アンデッド、ドラゴン、賢者
「この度、魔王様の御命令により【週休一日制】が試験導入されます」
キンニクの声が会議室に響いた
「週……?」
「休……?」
「ヤスミ……」
意味が理解できず、全員が凍りつく
最強のオーガ ツヨイ=オーガ将軍ですら、口を半開きにしている
「そもそも【休み】とは?」
誰かが口を開くと、ざわつき始める
「戦場に行かない日とは負傷の事では?」
「いやいや、魔王城で雑用やらされる日とか」
「私、死にすぎて霊体になってるんですけど、私も適用されるんですか?」
バンッッ!
全員が黙る
マオが立ち上がっていた
「伝承にあった【シフト】によって作られた制度じゃ」
空気が一変する
伝説
魔王軍が圧倒的に強かった時代に存在した幻のスキル
「なぜ急にシフトが?」
当然の疑問があがる
「スキルを持っている人間を将軍として迎え入れた」
……
……
会議室の温度が一気に下がる
――
「人間を魔王軍の将軍に?」
攻撃部隊の将校達から声があがる
「伝説のスキル持ちじゃ そうでもせんと、そなた達は言う事を聞かんじゃろ?」
「くっ……そうは言っても……」
「まぁ戦果が上がらんかったら消してしまえばよい 我が責任を取る 」
「――魔王様が責任を取るというなら」
渋々という感じで反対意見は無くなる
「という事で、シフトを管理する将軍――エクセル=シフトじゃ 入ってまいれ」
マオに呼ばれ会議室に入ると一斉に視線を浴びる
無数の魔物達のプレッシャー 吐きそうだ
「あの……どうもエクセル=シフトです 1マス方眼紙とか使えます シフト表作ったのでよろしくお願いします」
ほぼ新入社員の挨拶で場違い感がすごい
「各部隊、シフト表に従って行動せよ」
キンニクが手早く資料を配っていく
「●が付いてる日に戦えば良いんだな?」
筋肉系将軍たちは即座に飲み込む 筋肉バカなのが都合がいい
「この休みの後にある【予備】というのは何ですか?」
知略系の支援部隊から疑問の声があがる
「MPは2日休まないと完全に回復しません――今は完璧なシフトでは無いので、緊急時には戦ってもらう予備枠を作りました」
……「「「「MP?」」」……
まさかの全員からはてなマークが飛び出す
「MPですよ えっ……知りませんか?」
「とりあえず実行じゃ よろしく頼むぞ?解散!」
マオが珍しく慌てた様子で会議は唐突に終わる
各自は隣の将校と「お前いつ休みだ」などと学生のように散って行く
――
「それでは私も各部隊の調整作業を行います」
キンニクも退室する
マオと俺だけになるとマオが口を開く
「MPに付いては今後話すな 命令じゃ」
目がマジだった
魔王軍に来て以来の本気の注意だ
なぜ?という疑問は残る
小学生に叱られるようなバツの悪さを感じながら「はい」とだけ答えた




