休み導入
「ふむ……これは中々パズルのような……」
魔王マオは、再びシフト表を床に広げ
寝転がったりしながら目を輝かせている
「1マス方眼紙の美 セル結合が我を導く……!」
「スキル効果が発動しシエスタを配下に……これはつまり、魔王軍全体も配下にするチカラがあるという事か?」
「可能性としてはあります、魔王様」
後方で待機していたキンニクが頷く
彼もまた、状況の異常性を理解し始めていた
「スキル表は単なる【勤怠管理】にあらず 魔王軍を乗っ取る可能性がある危険スキルです」
「ふむ……つまり?」
「不穏分子となる前に殺してしまうのも手かと」
――
「……そんな気1ミリも無いですけど」
突然配下を持つという状況が飲み込めず、ポケーっとしていたエクセルが口を挟む
「コイツそんな意思無えみたいだぞ~」
いつの間にか戻ってきていたシエスタが、お菓子をくわえながら言う
「何かハイパーリンクが繋がって、御主人様の思考は分かるみたいだ」
さらっと俺も知らない怖い事を言う
「ふむ 反乱しそうならシエスタが教えてくれるならよいか」
とりあえず殺される心配は無くなったようだ
「して、そなたはこれを【全軍分】管理できるのか?」
「時間は必要ですが可能です 資料に無い者には直接会わなければいけないのと、性能を上げるために更に細かい情報も必要ですが」
「ほう……」
魔王の目が細くなる
「では、改めて問おう――エクセル=シフトよ 我が軍に【休み】をもたらす勇気はあるか?」
魔王軍数百年の呪いとも言える過労体質
それを断ち切る重い問いだった
「――はい 私が魔王軍全てのシフトを管理します」
「よし、シフト表はすぐに有効にする 次の任務だ!我の休日を設定せよ!」
「……えっ」
魔王軍に「休み」という概念が導入された瞬間だった




