10話 訓練場 初休日
「本当に……何もしなくて良いのか?」
ツヨイ=オーガ将軍は、朝から訓練場で暇していた
部下のオーガ兵たちも、ツヨイが何もせず居ると落ち着いて訓練出来ない
「おい、今日将軍に丸ついてなかったよな?」
「……ついてなかった」
「なんで居るんだよ」
「知らねえよ」
ふと訓練場脇にある【錬金術士】毒草エリアに目をとめる
「花が咲いてるんだな」
「おで 花を育てるんだな」
ツヨイはやる事が無さすぎて毒草に水をやり始める
後の冒険奇譚に登場する――心優しいオーガ誕生の瞬間である
「うわっ 将軍頭おかしくなってるよ」
「やっぱりシフト表とかヤバいんじゃないか」
人知れずエクセルへの不信感が育まれている
――
「ちょっと 勝手に水をやらないでもらえますぅ」
花を愛でていると錬金術師団に注意される
「ゴメン おで 花をいっぱい咲かせたかったんだな」
普段のツヨイらしからぬ、しょんぼりとした態度に注意した方が怯む
錬金術士団長ハガネ=ノ=フル将軍 がズレたメガネを直しながら続ける
「毒草? ……あぁ、それなら悪くはないですけど」
しばらく水やりを見守る
「新しい花が……咲いたんだな……」
「まぁ毒草を育ててくれるなら 育て方を教えますので休日はココに来て下さい」
樹木の妖精であるドライアド種 長い耳を真っ赤にしてピクピク動かしながら誘う
「……傷だらけの手で優しく花を扱えるなんて、ちょっと……意外だったので……」
「ワカッタ おで 休みの日 花育てる」
ロマンスの種を撒きながら訓練場の1日が過ぎる
――
そして、それを横目に覗いているオーガ軍団
「えっ 頭ヤバくなるとモテるのかよ」
「マジか 俺も休日いっぱい休もう」
こちらの問題もついでに解決する




