変わる世界
王都軍 第6会議室 狭い部屋で密やかな会議が開かれていた
「エクセル=シフトの影響がここまで広がるとは、予想外だった…」
シキカンには困惑と焦りが見えた
「魔王軍があそこまで変わるとは」
チュウタイチョウが低い声で応じる
「王都軍の兵士たちの士気は低下し、以前のような強硬姿勢はムリです」
「リンパやノンデモ、テイサツを中心にして、現状に反発する兵士が集会を開いているとか」
「一部の兵士たちは、すでに魔王軍との戦いを無意味だと感じている」
王都軍でクーデターが起こる兆しだった
シキカンは思わずつぶやく
「このままでは我々は内戦に突入するかもしれない」
――
王城の奥 玉座の間
薄暗い部屋に監視魔法のTV画面のような光だけが淡く灯っていた
「……また、笑っておるな 魔物どもが」
玉座に腰掛けた一人の女性
ジョオウ=エライ 王国女王
ベールに隠れており姿を拝見する事は出来ない
長命の一族の血を引き、初代魔王と同時代を生きた人
「まるで、かつての【彼】の国を見ているようだ……あの、異世界の男を」
「血のつながりとは不思議なものよ 時を越えても、何かが呼び合うように変わり始める」
「女王陛下 近頃の魔王軍の動き奇妙すぎます 兵からも不満が出ております」
シキカンが最近の疑問をぶつける
「初代魔王と私が交わした協定──【魔王軍休日返上協定】 魔物たちの力を弱らせお互いの滅亡を防いだ……だが時代は変わった」
「陛下、そのような……!協定は我が国の根幹です!」
「もう意味が無い あの少年……エクセル=シフト 彼が魔王軍を、いやこの世界そのものを変えてしまった」
「では、どうなさるおつもりで?」
女王は静かに笑う
「魔王軍が変わったのだ 我々もまた、変わらねばなるまい」
玉座からゆっくりと立ち上がる
「再び私が表舞台に出よう 世界を変える時だ」
決意に満ちた強い瞳で魔王城の方角を見据える
「日本人……か……」
懐かしそうに呟く
作者メモ
次回最終話です




