初の休暇
ベッドに倒れ込むエクセル
「……落ち着かない」
シーツはふかふか 室温も完璧 外の雑音遮断
落ち着かない
やり残してないか……ベッドの上でゴロゴロ転がる
「何か出来る事をしよう!」
「はい、封印!」
マオが部屋の外から手をかざすと、扉に魔法陣が浮かび上がる
「我以外には破れん」
「……スキルの魔力リンクまで切れていく……」
全員をコントロールしていたようなシフト表の万能感が薄れて行く
「ゆっくり休むのじゃ」
「もう限界」
目を閉じる――
――
「エクセルの休み会議を続けます」
冷静な声で【エクセル君1号】が会議を進行する
その隣で、眉間にしわを寄せながら資料を並べる【エクセル君2号】
「いつもですが キンニクさん資料の角がまた揃ってませんね」
「……すみません」
いつも思ってたんだ
エクセルの内面を垣間見た所で気づく
「あれっ 3号居なくない?」
「3号は巡回に出ました」
「今日はMPが余ってるので3人同時行動が出来ます」
「本体が寝ている間に、滞っていた決まり事を片付けましょう」
(本体が起きる前にね)
――
【エクセル君3号】
「はーい 王都軍の偵察部隊の皆さーん 魔王城外周見学ツアーはこっちでーす」
「エクセル? いや……俺達はあくまで偵察にだな」「見せてくれるなら見た方が良いのでは?」「でも罠という可能性も」
偵察に来ていた王都軍とエクセル君が鉢合わせたが、まさかの歓迎ムードに混乱がうまれる
「今日は土曜日なんで戦闘ありませんよー休まないと魔王様に怒られますから」
「なっ……やはり魔王軍に休みが出来たという噂は本当なのか」「俺達は土曜出勤してるのに」「羨ましい」
あまりにも突飛な状況に判断力が鈍りツアーに参加してしまう
「……ようこそ 家畜どもよ」
エクセル君の不敵な笑みを残して
――
「あー結局朝まで寝てしまった」
エクセルは初の休みを睡眠で使い切った
「凄い身体が軽い、これがMP満タンの状態か」
初の感覚に部屋の中を飛び跳ねる
「OKシエスタ」
「おう 久しぶり死んだように寝てたな」
「睡眠がこんなに良いものだとは思わなかったよ」
ベッドを撫でながら、しみじみと言う
「問題点あった?」
「細かい所は分身がやってたよ~後は保育所・給湯室・経理・ヴァンパイアくらい」
「1つだけ種族」
「ちょっと緊急っぽいグチが来てた~早く行ってあげて」
「嫌な予感しかしない」




