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episode2.魔王になっちゃった

「わ、私が魔王って……どういうこと?」

あまりにも突然でしおんは状況が何もわかっていない。


「魔王様、今日のご様子は少しおかしいですよ? 大丈夫ですか?」

トテモツヨーイが心配そうに声をかける。


「いや、そんなこと急に言われても……」

しおんは自分の体を見下ろした。


「って、何この私の姿?」

髪はいつの間にか紫色に染まっている。

頭には、見覚えのない二本の角。

そして身にまとっているのは、黒と赤を基調としたマントと衣装。


「……これ、本当に私?」


「魔王様一度お休みになられたらどうですか?今日様子がおかしいですよ。」

心配そうに声をかけてくるトテモツヨーイ


「いやそんなこと言われても私まだこの状況が掴めてないんだけど」


「何かあれば言ってください。すぐに来ますので」

トテモツヨーイは部屋から出る


「えー……まず、状況を整理しよう」

しおんは一人で考え始めた。


「私は確か……そうだ。男の子を庇って、トラックに轢かれたんだ」

トラックに男の子が轢かれそうになったとき、男の子を突き飛ばしたこと。そして、自分が強い衝撃を受けたこと。事故の瞬間が、鮮明に蘇ってくる。


「それで、気づいたらここにいた……」

しおんはしばらく考え込む。

そして、ある可能性に思い至った。


「もしかして……異世界転生!?アニメとか漫画でよくあるやつじゃん!」

しおんは妙に納得したように頷く。


「でも、なんで魔王なの?」

少し考えてから、しおんは顔をしかめた。


「悪役じゃん。どうせなら勇者が良かった。」

しおんはがっかりそうに下を向く


「というかこういうのって普通勇者で世界を救ったりするものでしょ?なんで魔王に異世界転生なんてしないといけないの?神様せめて勇者なんて贅沢言わないから勇者の仲間にして欲しかった」

しおんは落ち込んで玉座に座る


「はあっ。とりあえずここがなんなのか調べないと」

しおんは扉を開けて部屋を出る


廊下に出て建物内を歩くが、そりゃ化け物しかいない。なんか足が8本で手が一本もないタコみたいな気持ち悪い生き物もいれば、狼人間見たいのもいれば。ゾンビみたいな奴もいる。


「うえ。気持ち悪。魔族っていうくらいだからわかってはいたけどやばい人しかいない」


「えっ?魔王様が部屋の外に出てる!?マジか!?」魔族の1人が大声で叫ぶ


「えっ?そこまで驚くことなの?」


「だって魔王様が部屋から出るのは1年に一回で初詣の日だけじゃないですか」


「それ魔王じゃなくてただの引きこもりじゃん。というかなんで異世界に初詣の文化があるの!?」


「働きたくないからと言って我々に仕事全部押し付けていつも部屋でぐーたらしてるじゃないですか」


「なんでそれで魔王が務まってたのか逆に気になるよ」


「魔王様が1月1日以外の日に外を出るなんてあり得ない。まさか貴様偽物か」


「あながち間違ってはいない」


「偽物め。排除してくれるわー」

魔族の筋肉がめっちゃムキムキのやつが大剣を振るってくる


「ちょっと待って」

手で受けるが傷一つ、つかないどころか剣のほうが折れた


「あれ?」


「くらえ。八脚乱舞」

さっきのタコみたいな見た目したやつが8本の足で連続攻撃してくる


「気持ち悪。こないで」

どかん。殴ったら窓割って外に吹き飛んでいく。


「あれ?弱くない?」


「ま、まさか本物!?ま、魔王様すいませんでした。ご無礼をお許しください」

土下座してくる


「あ、う、うん。わかってもらえたならよかった」もしかして超怠けものだけど名前の通り本当に強いのかもしれないと思うしおんであった

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