5月3日 GW5日目
お母さん「じゃあ、野球部の子たち来てくれてたんだ?」
俺 「そうそう」
お母さん「みんな元気してた?」
俺 「まぁ、それなりにって感じかな」
お母さん「そっかぁ」
久しぶりに聖徳高校の奴らのことを話したから、お母さんも気になっていたようだ。家を出てから、約1ヶ月ぶりくらいにお母さんに会っていた。やっぱり、お母さんがいると落ち着く。母親ってそういうものだろうか?
俺 「お父さんは?」
お母さん「仕事忙しいみたいよ」
俺 「へぇー。やっぱり、大変なんだ」
お母さん「陵は、大変じゃないの?」
俺 「大変は大変だけど、なんとかって感じかな」
お母さんの前で弱気を見せることはできなかった。でも、本音を言えば大学に行っていた方が楽だろうなとは考えていた。髙橋があれだけできるのを見てしまうと、そう思うのも無理はない。
お母さん「ちゃんと、ご飯は食べてるのか?」
俺 「あんまり時間ない時は食べれてないね」
お母さん「そんなに忙しいの?」
俺 「忙しいというより、疲れて寝ちゃうね」
お母さん「結構、疲れてるじゃない?」
俺 「まぁ、疲れてはいると思うけどさ」
お母さん「そりゃあそうだよね、夜遅くまで働いてたら
俺 「自分で選んだ道だろって、どうせお父さんに言われるよ」
お母さん「ハハハハ、それはそうだね」
お母さんも同じように思うようだ。
俺 「仕方ないよ」
お母さん「まぁ、お父さんは厳しい人だからさ。許してあげてよ」
俺 「別に怒ってなんかないよ。こっちに来て良かったと思ってるし」
お母さん「それだったら、いいけど」
たしかに、長野にいればもっと楽だったかもしれない。けど、楽した先に自分が成長できるかはわからない。だったら、しんどくても成長できる方を選ばないと。
俺 「いずれ、俺もビックになるよ」
お母さん「ビック?」
俺 「ああ。お父さんに負けないくらいのな」
お母さん「それは、お父さんも楽しみだね」
俺 「うん」
今は、何者でもないけど。いつか、いつか絶対に。この想いさえ、持ち続けることができたら。それでいいだろう。
お母さん「今度は、陵も帰って来なさいよ」
俺 「うん、夏は必ず帰るよ」
次の休みは夏だった。




