5月2日 GW4日目
俺 「そんなに大変だったのか?」
健太郎「当たり前だろ」
たまたま予定があった俺は、昨日に続いて今日も聖徳高校の野球部だった"定本健太郎"と会っていた。健太郎と会うのは、あの日以来だな。
俺 「まぁ、そう言うなよ」
健太郎「じゃあ、働いてるの?」
俺 「もちろん」
健太郎「お前だったら、いい大学もいけたのに」
健太郎の言う通り、勉強を本気でやれば行けたのかもしれない。でも、それが俺に合ってたのかわからない。健太郎は、昨年の受験で希望の大学に受かることはなく、結局浪人するという道を選んだのだった。やっぱり、コイツは粘り強いやつだ。
俺 「あの日以来だな」
健太郎「あの練習試合だよな?」
俺 「そうそう。たしか、江陵高校だった気がする」
俺たちは、スタメンで試合に出ていなかったこともあり、ベンチ外で話をていた気がする。あれは、ホームランテラスだっけな。健太郎は、足を痛めて試合に出てなくて、俺は引越し前だから試合に出ていなかった。俺の中では、セカンドのレギュラーは健太郎1択だった。飯田や田中もいい選手だけど、ピンとくるものがなぜかなかった。
健太郎「そうだったな。お前ホームラン打たなかった?」
俺 「打った、打った。あれは完璧だったぜ?」
健太郎「ハハハハハ。自慢すんなよ」
懐かしい。あの頃が。
俺 「あれが、実質最後の試合になったけどな」
健太郎「なんで野球続けなかったの?」
俺 「もともと、聖徳以外で野球をする予定はなかったんだ」
健太郎「そうなんだ」
これは引越しをする頃から決めていたことだ。たしかに、野球には未練はあったけど、アイツら以外と野球をしようという気持ちが起きなかった。
俺 「勉強も忙しかったしな」
健太郎「東京って、やっぱり凄いの?」
俺 「凄くねぇよ」
健太郎「なんだ、大したことなぁのか」
コイツらの方が数倍すげぇよ。
俺 「ねぇよ」
健太郎「また、一緒に何かしたいな」
俺 「一緒に?」
健太郎「ああ。俺が大学受かった頃には頼むぜ?」
俺 「ハハハハハ。わかった、考えとくよ」
健太郎の言う何かとは何を指すのだろうか?でも、コイツらとなら、また何かデカいことができるんじゃないかとそう思わせてくれる存在だった。




