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3月12日 売り上げ目標

 今日は、朝から、河野さんの話を思い出していた。


 ー3月11日ー


 河野さんは、とても


 河野「で、ビジネスの何教えてほしいの?」

 俺 「売り上げ方法です」


 お父さんに認められたい。その想いでいっぱいだった。


 河野「どういうこと?」

 俺 「売り上げ目標の達成方法を知りたいです」


 河野さんは、コーヒーを混ぜながら俺の方を見た。


 河野「それは、遠山くんがビジネスをしてるってこと?」

 俺 「そういう問題を出されまして、、、、、」


 俺は、答えにくそうになった。


 河野「誰に?」

 俺 「お父さんです」

 河野「お父さんがそんな問題出すんだ?」


 驚きながら、俺を見つめていた。


 俺 「実は、お父さん社長なんです」

 河野「へぇー。それはすごいね。どんな仕事なの?」


 前のめりになって聞いてくる。


 俺 「一応、ベンチャー企業なので、まだ始まったばっかりです」

 河野「なるほどね。遠山くんは、大学とか興味なかったの?」


 大学。受かったのはよかったけど、いって何するかが不明確だった。


 俺 「いえ、興味あって、大学も受かってたんですけど。受かってから辞めました」

 河野「なんで、辞めたの?」


 鋭く質問をしてくる。


 俺 「なんか、違う気がして」

 河野「何が違うかな?」


 目の前のコーヒーには手をつけず話し始めた。


 俺 「大学に行ってやりたいこともないのに、これでいいのかなって悩んでてて、、、、。だったら何か違うことをした方がいいんじゃないかと思って」


 何か違うことが、このビジネスかどうかはわからない。それでも、何か動き出さないとと必死だった。


 河野「なるほど。それがどうなるかってことかぁ」

 俺 「はい」


 河野は、タブレットを出し、スクロールし始めた。


 河野「じゃあ、お父さんが出したこの問題を解かないとということか」

 俺 「そうです」

 河野「じゃあ、僕から言えることは一つかな」  


 さっき出したタブレットを見せてきた。


 俺 「なんですか?これ?」

 河野「これは、一冊の本だよ。その問題を解くには、お父さんが望んでいることを考えることだよ」


 河野さんに言われたことはよく理解できなかった。


 俺 「えっ、どういうことですか?」

 河野「ハハハハ。まったく、考えてなかったというような顔をしてるね」


 図星だ。河野さんには、俺が考えていること全てを見透かされようとしていたのだった。

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