3月11日 河野昌也
進学を諦めた俺は、父からの宿題に目を向けた。父からの宿題は、「売り上げ目標の達成方法を考えなさい」というものだった。俺は、長内から教えてもらった男に会うことにした。男の名前は、河野さんというらしい。
河野さんは、34歳でベンチャー企業の社長をしているらしい。現在は、年商5000万程度で社員が100名程度いるとか。そんな河野さんに何を聞いたらいいのだろうか?俺は、おそるおそる会社の前までやってきた。社長なんかが、こんな高校生に会ってくれるのだろうか?
オフィスは、かなり大きかった。お父さんからもらったプリントをリュックから取り出した。こんなプリント、ほぼ白紙と変わらないじゃないか。ツッコミたくなる気持ちを抑えながら、プリントをポケットにしまいこんだ。
よし!気持ちを落ち着かせて前に歩き始めた。歩き出したはいいものの前方から何人かの会社員が歩いてくる。一列になっていないこともあり、営業か何かなのかと思っていた。その内の1人が俺の方に歩いてくる。誰だろう?ピタッと足を止めた。
男性「どうも」
俺 「、、、、、、」
どこかただならぬオーラを感じた。
男性「今日来る予定の遠山くんかい?」
俺 「はい」
なかなか思うように言葉が出てこない。
男性「河野です」
俺 「遠山です。よろしくお願いします」
河野さんは、とても大きく見えた。
男性「ハハハハ。じゃあ、向こう行こうか」
俺 「はい」
まだ、高校生の俺が可愛く見えたのだろうか?河野は、歩きながら話すみたいだった。
河野「今日は、どのくらい時間あるの?」
俺 「今日は、一日空いてます」
そうだ。今日は、わざと遊ぶ予定を入れていない。
河野「じゃあ、あっち行こっかぁ」
俺 「はい」
左に曲がり、飲み屋街に向かっていく。
河野「そんな緊張しないで」
俺 「はい」
みるみるオフィスから離れていく。どこで話すんだろうか?
河野「遠山くんは、今、高校生?」
俺 「はい。もうすぐ卒業ですけど」
卒業式は、3月16日だった。
河野「高校3年生かぁ。すごいね」
俺 「いえいえ」
左前方にオシャレなカフェに入ったのだ。
河野「今日は、ビジネスについて聞きたかったで合ってる?」
俺 「はい」
カフェの前に止まった。混み具合を見ているみたいだった
河野「ここでも入ろっかぁ」
俺は、河野さんの後をついて行ったのだった。




