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日常で世界を変える(遠山編)  作者: mei


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3月10日 下田那奈

 俺は、久しぶりにプロ野球を見ていた。高校野球を5月で引退してから、野球をすることも見ることもなくなった。しかし、今日は、テレビをつけるとプロ野球のオープン戦が行われていたのだった。

 どうやら、東京ライアンツの蜂谷が2打席連続でホームランを打った映像が映し出されていた。1本目はレフトに、2本目はライトに。小柄な体だけどあれだけ飛ばせるなんて凄いとしか言いようがなかった。26歳の蜂谷は、日本の4番でもあった。


 ー3月8日ー


 エレベーターの扉が開くと、片山の後ろをついていく。片山は、右に曲がる。俺も慌てて歩く方向を変えた。前を歩く片山とは、だんだん距離が離れてくる。なんか、急いでいるのだろうか?俺もスピードを上げた。あそこかぁ。

 片山が向かっているのは、おそらくあの病室じゃないか。右脚のポケットが揺れている。あっ、慌ててポケットに手を突っ込んだ。しかし、手にスマホをとった頃には、もう揺れやんでいた。着信の連絡が入っていることを示すために定期的に光っていた。

 親からの電話のようだ。スマホのロックを解除するけど、電話だけでメッセージは入っていなかった。いつも急ぎの時は、メッセージも入れてくるから、今日は問題はないのだろうと思い、再び、スマホをポケットの中に閉まっていた。

 そんなことをしていると既に片山は、病室の前まで来ていた。そのまま、ノックをして病室に入っていた。まじかよ、アイツ!!。早歩きで病室に向かっていく。片山は、入室してしまってすぐに姿は見えなかった。なんとか、病室までやってきた。

 俺は、病室の前にあったネームプレートを見た。なんて書いてあるんだろう?病室内には、明るい声が聞こえてきた。ノックの返事から、女の子であることはわかった。

 どうも、今日歩くのがしんどいと思ったら、ランニンシューズじゃなく革靴を履いていたことに気づいた。そういや、この靴は、菜緒からもらったものだった。その菜緒がここにいるなんてな。自分でも信じられなかった。

 一度は、もう一生会うことなんてないと思っていた菜緒がこうして違う形で会うなんて想像すらしていなかった。

 おそるおそるプレートに書いてあったのは、"下田那奈"と書かれていた。まさか、、、、、。想像していた人とは、全く違い思わず二度見をしてしまったのだった。下田は、聖徳高校の生徒。たしか、野球部では健太郎が仲がよかったはずだ。

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