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【書籍1巻発売中】モブの俺が悪役令嬢を拾ったんだが〜ゲーム本編無視で、好き勝手楽しみます〜(旧サブタイトル:ゲーム本編とか知らないし、好き勝手やります)  作者: キー太郎
第六章 新年度は出会いがいっぱい

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休載のお知らせ+おまけ

 これはランディが生徒会長選挙に出るより少し前の話……。つまり入学式が終わって間もなくのこと。


 いつも通りのテラスに集まったランディ達であったが……


「そーいえば、ベティとエリリンって二人とも変な形の腕輪つけてるよね? 何で?」


 ……リヴィアが指差すのは、それぞれの左腕と右腕にある、黒色と銀色の特徴的な形の腕輪だ。魔石のついている飾り部分だけが飛び出た腕輪は、リヴィアの言葉通り「変な形」と言われてもおかしくない。


「ああ、これですか?」


 黒い腕輪を擦るリズが、隣の席で男性陣と談笑中のランディをチラリと見た。


「大事な贈り物なんです」


 微笑んだリズがエリーに「ね?」と同意を示すと、エリーは照れたように少し顔を背けた。


「お主の中にいる時に、ずっと付けておったからのぅ。今さら取ると違和感というか……」


 モゴモゴと言い訳を口にするエリーだが、腕輪がついているのは、リズの左腕と違い右腕だ。遠慮がちに銀の腕輪を擦るエリーの横で、「そういえば」とセシリアも思い出したように手を打った。


「学院に戻ってきた時には付けていましたわ。始めはランドルフ様とリザの色を、あしらった物だと思っておりましたが」


 腕輪を覗き込んだセシリアが「今は少し変わっておりますわね?」とエリーとリズを見比べた。


「はい。元々二つで一つの腕輪だったんですが……」


 腕輪を触るリズが語るのは、エリーが身体を取り戻した後、分割してお互いの腕に収まったという話だ。


「その時、魔石も蒼と紅に別れたんですが――」

「あれ? でもアンタの方にも紅い魔石ついてるじゃない」


 首を傾げるキャサリンの言う通り、リズの黒い腕輪にも紅い魔石が付いている。逆にエリーの銀の腕輪には、紅い魔石が二つだ。


「その、これは……」


 恥ずかしそうに腕輪を隠すリズだが、エリーの腕輪を眺めていたセシリアが、「ランドルフ様の色ですわ」と目敏くエリーの腕輪にある紅い魔石の色が、少し違う事に気がついた。


「な゙――」


 エリーが慌てて隠すがもう遅い。周りから見せろ見せろと言われ、リズとエリーが観念したのか、恥ずかしそうに腕輪を外して机の上に置いた。


「それぞれの色に、ランドルフ様の〝紅〟ですわ」


 セシリアの言う通り、リズにはエリーの黒と自身の蒼、エリーにはリズの銀と自身の紅、それぞれお互いを表す腕輪に、ランディを示す紅い魔石がついているのだ。


「ランドルフ様からの贈り物と聞いていましたが……」

「デカ男が作ったの?」


 まじまじと腕輪を覗き込む二人だが、ランディが作ったにしては、少々装飾がショボいことに気がついた。


「まだクラフトで出来ることも、少ない頃でしたから」


 懐かしむリズが、自分の腕輪を取り、また腕に着けた。


「大事な三人の思い出なんです」


 エリーは何も言わないが、それでも大事そうに腕輪を手に取り、自分の右腕へと戻している。


「でも魔石を増やしたのよね?」


 首を傾げるキャサリンに「あと色も、ですわ」とセシリアが同意するように頷いた。


「それは……」


 恥ずかしそうに、リズがランディを盗み見る。未だに男性陣と盛り上がるランディは、こちらの会話に気づいていない。


「ランディが増やしてくれたんです。それぞれの色を――」

「コレで一緒だ、とな」


 ため息混じりだが、エリーも微笑んで自分の腕輪を擦った。


 二人が着けるにあたって、折角なら造形を整えようか、という提案がランディから出たのだが、二人がそれを拒んだのだ。


 この形だからいいのだ、と。そこでランディが出したのが、それぞれの色をあしらうアレンジだ。


 そうして生まれた腕輪が、今も二人の腕に輝いている。華美な装飾は一切ない、不思議な形状の腕輪。もちろん合わせて一つにする事も出来る。


 それは三人の始まりであり、今まで歩んできた軌跡でもある。だから――


「これからもこの形で、歩いて行きたいんです。三人で」


 リズがそう呟いて、腕輪を擦った時――


「何か盛り上がってんな」


 ランディが隣の席から声をかけた。


「ランドルフ様、今は淑女の会話中ですわよ」

「ほんっとデリカシーないわね」

「ランドル、アウトだよー」


 セシリアとキャサリン、そしてリリヴィアに撃退されたランディが「ンだよ」と口を尖らせた。


 その反応にリズとエリーが顔を見合わせ微笑んだ。


「内緒です」

「そうじゃな。お主には聞かせられん」


 二人にまでそう言われるランディの肩を、ルークが「馬鹿め」と叩いて悪い顔で笑う。


「うるせー。テメーはすっこんでろ」


 そうしてまた始まる男性陣の盛り上がりに、リズ達は誰ともなく顔を見合わせ笑い声をあげた。


 暖かな日差しの中、今日も二人の腕には、あの日から二人を見守ってきた、ランディの優しさが輝いている――。

一巻の制作作業中に、こんなプレゼントもあったよね。と思い出したので書いたものです。

ぜひここまで辿り着いた方々も、「なつかしい」と思い出していただけると幸いです。

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モブの俺が悪役令嬢を拾ったんだが ~ゲーム本編無視で、好き勝手楽しみます~

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モブの俺が悪役令嬢を拾ったんだが ~ゲーム本編無視で、好き勝手楽しみます~

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