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【書籍1巻発売中】モブの俺が悪役令嬢を拾ったんだが〜ゲーム本編無視で、好き勝手楽しみます〜(旧サブタイトル:ゲーム本編とか知らないし、好き勝手やります)  作者: キー太郎
第六章 新年度は出会いがいっぱい

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本日休載のおしらせ+おまけ

 セドリック・がアランに頼み込んで決定した、ヴィクトールでの稽古。その初日、セドリックはガラにもなく緊張した面持ちで、ヴィクトール邸に設置された転移門から現れた。


「お久しぶりっす」


「ウォーカー卿……?」


 迎え入れてくれたハリスンに、セドリックが思わず眉を寄せた。本来ならハリスンは、既に旧王都に向かったランディ達に同行しているはずなのだ。


「若から初日の案内を頼まれまして」


 肩をすくめたハリスンが「こっちっす」と廊下の先へと促した。


「ウチは良くも悪くも実力主義っすから」


 歩きながら笑うハリスンに、セドリックも成る程と頷いた。


「歓迎されてない、わけか」


 自嘲気味に笑うセドリックに、「いえ、逆っす」とハリスンが振り返った。


「逆?」

「はい。逆っす」


 再び歩き始めたハリスンが言うのは、あのエリザベスの兄が来るという事で、全員が歓迎ムードらしいのだ。


 無理もない、とハリスンが続ける。エリザベスには、皆が世話になっている上、確実にランディの伴侶となる人間だ。


 つまり自分達にとって、仕えるべき人間の兄がくるのだ。皆が歓迎しないわけがない。


「でも、それじゃあ面白くないっすよね? エリザベス様の兄上だからと、忖度されたいっすか?」


 振り返りニヤリと笑ったハリスンに、セドリックが黙ったまま首を振った。


「成る程……実力主義、つまり皆に実力で参加していると思わせろ、と」

「そーゆー事っす」


 再び歩き出したハリスンが、その役目としてランディがハリスンを遣わしたのだと言う。


「どのみち放っておいても、セドリック様なら実力を示せるでしょうけど……。『やるなら始めっから全開の方が良いだろ』、だそうっす」


 いつの間にか屋敷を抜けた二人の前には、ヴィクトールの訓練場が見えてきた。


「なので、皆の前であっしと手合わせしましょうか」


 訓練場を前に振り返ったハリスンに、セドリックはブルりと身を震わせた。そのくらいハリスンから発せられる気配が、大きく強かったのだ。


「……望むところです」


 それでも頷いたセドリックに、ハリスンが笑顔で「良いっすね」と頷き返した。


 こうしてセドリック・フォン・ブラウベルグは、真の意味でヴィクトールに迎え入れられる事になる。


 高みを――いや、深淵を目指す、セドリックの長い旅路がはじまったのである。




 ちなみにランディの耳に届いた、セドリックのヴィクトール騎士隊初参加の内容は……


「こ、これがリザの愛の重さか」


 ヴィクトール養成マントを重ね着し、喜びに満ちた笑顔を浮かべるツワモノとしての話であった事は、言うまでもない。


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モブの俺が悪役令嬢を拾ったんだが ~ゲーム本編無視で、好き勝手楽しみます~

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