第99話 スノウ・ブラックアウト
気が付いたらまたベッドの上にいた。
これでブラックアウトするのは二回目、いや魔王戦を入れたら三回目だ。
ちょうど良く自分の髪の色は白……スノウ・ブラックアウトと名前を変えた方が良いかも知れない。
自虐的なことはさておき、あの後どうなったのか。
風呂場でマーサを口説いた。
マーサの胸の呪紋を剥がして、漬け物用に買った壺に封じて空間収納の中に放り込んだところまでは覚えている。
神のスキルは強力だが、自分への負担、魔力消費が激しすぎる。
休眠から目覚めてすぐだったこともあって、体の状態が全く把握できていなかった。
本格的にリハビリしないとまずい、明らかに体は鈍っている。
ベッドの上で、自分の体を確認すると微妙に右側に重さを感じる。
右側ではソエルが横で寝ていた。
正確にはソエルの抱き枕状態になっているようだ。
綺麗な髪に触れながら、無防備なソエルの寝顔を見る。
この前までは幼く小さな精霊だったのに。
横にいるのは絶世の美少女、乙女。
ローレライやマーサとは違うタイプの美人がいる。
「レディの寝顔をまじまじと見るのはエッチよ」
ソエルは自分より先に起きていたようだ。
「愛おしい人の寝顔は、見てるだけで幸せになるね」
素直な感想を言ったが、ソエルにはクリティカルだったようだ。
照れ隠しで、真っ赤な顔を胸にうずめてくる。
「そんなこと言われたら、もう何も言えないじゃない」
照れているソエルちゃんは間違いなく可愛い。
「風呂場で倒れた後はどうなった?」
マーサと一緒にお風呂に入っていた事実があるため、聞くのが少し怖い。
「湯船でのぼせて、溺れかけたみたいよ。助けてくれたマーサに後でお礼言わないとダメよ」
なるほど……そういうことになっているのね。
マーサの臨機応変な対応に感謝したい。
「ローレライとマーサはいま何してるの?」
「私が横にいるのに、他の女のことが気になるわけ?」
ほっぺたを膨らましてブーブー言う顔も可愛い。
だが、そろそろ現実に戻らないといけない。
真面目な顔で聞いているので、さすがに諦めたようだ。
「エロフとマーサの二人は今後のことについて協議してるわ。マーサが情報収集させたみたいだから、何を優先に解決するか話し合っているみたいよ」
ローレライとマーサに任せたら間違いないだろう。
ソエルは直感的に動く方だから、今回は適役ではない。
邪魔だから、添い寝でもしてきてくださいと追い出されたのかもしれない。
「お腹も減ってるし、そろそろ起きないとね」
朝ご飯になるのか、昼ご飯になるのかわからないが、太陽は既に昇っていた。
99話です。
お風呂場でマーサを口説いた後に、まさかのブラックアウト。
その後の話になっています。この後も楽しい話をどんどん投稿していきます。
よろしくお願いします。




