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第100話 終身雇用

簡単な食事を食べた後、応接室に行く。

貴族街にある住居のため、来客に対応できる部屋は用意してある。

応接室を開けると、ローレライとマーサは机の上にある大量の資料を見て協議していた。

自分を見ると、二人ともすぐ来てくれる。

ローレライの頭を撫でて労う。

ローレライの横に来たマーサまで頭を出したので、そのまま頭を撫でた。

ソエルとローレライがまさかって顔をする。


「いつの間にマーサを落としたの?雷龍王のメイド長は落とせないって言ってなかった?」


ソエルの驚きは隠せない。

立場的には雷龍王のメイド長兼自分の教育係。

マーサが元々雷龍王の命を狙った暗殺者とソエルも知っている。

何度も仲間になって欲しいと言って振られていた相手が、いま自分の頭を撫でさせている。


「この度、スノウ様への終身雇用が決まったので。近々雷龍王様からお暇を頂く予定です」


終身雇用と聞いてソエルとローレライは頭を抱え込む。


「スノウは終身雇用の意味をわかってる?」


「スノウ様はまた女性を口説いたんですか?」


ソエルとローレライが複雑そうな顔をする。

確かにマーサを口説きましたね。

終身雇用については許可したけど……これって、そういうことですか。


「やっと頷いてくれたから」


自分にとって大切なことだからと説明する。

下手におどおどすると女性陣に手綱を取られる可能性もあるため、マーサの件は押し切る。


「スノウに悪い虫が付かないようにもっと厳しく管理しないと。このままだと二桁いきそうよ」


ソエルは冗談で言ったつもりだと思うが、ローレライとマーサの目が超怖い。

二人の目が光っているのですが……何か魔眼のスキルを持っていました?

以後、気をつけよう。


「それで、何から片付けた方がベスト?」


ローレライとマーサに聞いてみる。


「雷龍王様のお茶会が最優先と二人の意見は一致しています」


「魔女とエルフ、暗殺者ギルドの動きがかなり活発ですね。明らかに賞金を懸けています」


元暗殺者マーサの情報網は侮れない。


「義母からのお茶会かぁ。体の動きの確認もかねて、少しリハビリしたいんだけど。それに装備のメンテナンスもしないといけないし」


月刊冒険者ギルドの臨時版を、きっと義母は見ているだろう。

正直お茶会がどうなるのか予想がつかない。


「私はこの後一度ギルドに戻らないといけません。場合によってはスノウ様自身に表に出て頂く必要があるかもしれません」


ローレライは申し訳なさそうな顔をする。


「お茶会の日程調整はマーサに任せるけど、大丈夫かな?」


マーサを見る。


「雷龍王様のことですから、いつでも良いと言われますよ」


雷龍王に雇われているメイド長のマーサが言うのであれば、そうなのだろう。


「ローレライが戻ってからお茶会に行くとして、二日後で調整してくれる」


「かしこまりました。では少し用意してきますね」


無駄のない動きで応接室から退出していく。

義母は自分に会った時にどう反応するだろうか?

自分の中にいる神と敵対するならば、命の危険もある。

最悪この国から出て、逃亡生活も考えないと……


「私も夜には、ここに戻って来るようにしますね」


ローレライは転移魔法を使って、この場から消えた。

冒険者ギルドに向かったようだ。


「スノウはこの後どうするの?」


ソファでゴロゴロしながら、ソエルは聞いてくる。

無防備で、緊張感が全くない。

お菓子を頬張りながら、完全にオフモードの精霊。


「そうだな、少し散歩に行きたいかな」


最近構ってあげていないソエルも連れて行こう。

マーサがいなくなったため、メイドのリーダーを呼ぶ。

ある準備の手配をお願いする。


100話です。

リライトしている作品ですが、やっと100話まで来ました。

いまだ全部のリライトが終わっていません(泣)。

小説の内容はいつも通りです。

噛めば噛むほど、読めば読むほど次が気になる作品を目指しています。

よろしくお願いします。


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