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第76話 愛する理由

彫像になってしまった私の姿を初めて見た者のほとんどが性的な目で見る。

稀少なエルフを完全に模倣している彫像(実際は生きているのだが)。

スノウ・ノクティスは違っていた。

彼の最初の一言は好印象だった。


「綺麗だ。女神とはきっとこのような姿なんだろう」


最高の賛辞だった。

その後、隣にいた小さな精霊に髪を引っ張られていたことも彼の人柄の良さを感じ取れた。

彫像となっている私には意思表示ができない。

きっと一期一会に終わるのだろう、そう思っていた。


「もしかして生きているのか?」


彼が私に気付いた瞬間だった。

後で話を聞くと、空間収納の魔法がきっかけだったらしい。

空間収納の魔法は基本生きている物を中に取り込めない。

目の前の彫像が取り込めないことに違和感を覚えたらしい。

隣にいた小さな精霊は、私が生きていることを信じていなかった。

持ち帰るのは嫌だとごねていたくらいだ。


「呪いの類いか?どのくらいこの状態なのかわからないが、これも何かの縁だ」


そう言って彼は私の頭を触った瞬間、不完全な魔法が強制解除された。

驚いた彼の表情を見た瞬間、気を抜いてしまい不覚にも気絶してしまった。

どのくらいの期間寝ていたのか。

気が付けば、温かく柔らかいふかふかのベッドの中で目が覚めた。

近くにいたメイドは私が起きたことに気付いてバタバタしていたが、久しぶりに動かせる指や足の感覚が自分の一部と認識するまでに少し時間がかかってしまった。

私を最初に見た小さな精霊の言葉は未だに忘れられない。


「起きたの?痴女エルフ」


痴女って……彫像の私は裸だった。

私は生れたままの姿で不覚にも気絶をし、全てを彼に見られ保護されたらしい。

穴があったら入りたい。

でももう彫像には戻りたくない。

聴覚しかない感覚からやっと解放されたのだから。

しばらくするとノックされたドアから彼がやって来た。

真っ赤に照れながら話をする彼に心を奪われていた。

自分を解放してくれた彼に対する恩もあるかもしれない。

それ以上の感情が自分の中で生れていた。

“私の全ては彼のもの”

その日から、ローレライ・エルフィンはスノウ・ノクティスを愛している。


76話です。

おはようございます。もう少し後の時間に投稿する予定でしたが、この時間になりました。

今回はローレライのスノウに対する感情を書いてます。LOVEです(笑)。

女性陣が多く登場しますが、出会いやLOVEの理由は少し違います。主人公を好きな気持ちは同じですが。

明日も投稿予定になります。よろしくお願いします。

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