第75話 彫像のエルダーエルフ
雷龍国ノクティスの冒険者ギルドには傾国の美女がいる。
ダークエルフの副ギルド長、ローレライ・エルフィン。
この副ギルド長を目当てに他国から移住してきた冒険者もいる。
ローレライ教と呼ばれる狂信的なファンも多い。
いまだに縁談、求婚の話は絶えない。
知的な眼鏡の奥にある深い眼差しで見つめられると、性別や年齢、種族に関係なく虜にしてしまう。
見た者の多くが、ローレライの魅力に惹かれてしまうのだ。
雷龍王の推薦で副ギルド長に抜擢されているが、ローレライというダークエルフの存在が知られるようになったのはここ数年である。
数年前まで彼女は彫像だったからだ。
神によって特別な種族として創られ、始祖を源流に持つ種族は、特別な意味を持つエルダーと呼ばれていた。
ローレライはダークエルフではなく、始祖を源流に持つエルダーエルフである。
ハイエルフ、ダークエルフの上位種族であるエルダーエルフ。
現在、その存在自体は歴史から消えている。
ローレライはある事件に巻き込まれ、自分の身を守るために不完全な魔法をかけてしまった。
敵意のある攻撃や魔法は一切受け付けないが、自分自身が行動不能になってしまった。
感覚は聴覚のみ。
この魔法の最悪な所は本人自身で魔法の解除ができなかった。
本人は生きているが外部に意思表示、連絡手段ができない。
美しい赤褐色のエルフの彫像になってしまった。
エルフの彫像として様々な国や世界を旅することになる。
貴族や王族の元へ、オークションにかけられることもあった。
運が良かったのは深海に沈まなかったことだ。
馬車に搬入される道中で盗賊に襲われてしまい、様々な経緯を経てエルフの彫像は最終的にゴブリンキングの献上品になっていた。
醜悪なゴブリンキングの横で、ローレライはこのまま一生を彫像で終わると諦めていた。
年月が経ったある日、ゴブリンキングの断末魔が聞こえた。
直後、自分を解放する存在が現われた。
呪いの彫像から解放してくれた人物、スノウ・ノクティスである。
75話です。
皆さんおはようござします。北海道は荒れた天気が落ち着いていますが、線状降水帯で被害が起きてます。
早く復旧できると良いのですが。
小説は明日も投稿予定です。土日は家事もやる必要があるため、時間の合間でリライトしています。
気軽に読んで、少しでも幸せな気持ちに楽しんで頂けたら幸いです。よろしくお願いします。




