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第六十七話

ご乱心の副ギルド長


雷龍国ノクティスの冒険者ギルドには傾国の美女と言われるダークエルフがいる。ローレライ・エルフィン、副ギルド長だ。

この副ギルド長を目当てに他国から移住してきた冒険者もいる。ローレライ教と呼ばれる狂信的なファンも多い。いまだに縁談・求婚の話は後を絶たない

知的な眼鏡の奥にある深い眼差しで見つめられると、性別や年齢、種族に関係なく虜にしてしまう。存在そのものが別格。見た者全てがローレライに魅了されてしまう。

雷龍王の推薦で副ギルド長に抜擢されているが、ローレライというダークエルフの存在が知られるようになったのはここ数年である。

数年前まで彼女は彫像だったからだ。

神より特別な種族として創られ、始祖を源流に持つ種族は特別な意味を持つエルダーと呼ばれていた。

ローレライはダークエルフではなく始祖を源流に持つエルダーエルフである。

ハイエルフ、ダークエルフの上位種族であるエルダーエルフは、現在その存在自体が歴史から絶えている。

ローレライはある出来事に巻き込まれ、身を守るために不完全な呪いのような魔法を自分にかけてしまった。敵意のある攻撃や魔法は一切受け付けないが、自分自身が行動不能となり赤褐色の生きる彫像になってしまった。感覚は聴覚のみ。

この魔法の最悪な所は本人自身で魔法の解除ができなかった。本人は生きているが外部に意思表示、連絡手段ができない。美しい赤褐色のエルフの彫像になってしまった。

エルフの彫像として、美術品として様々な国や世界を旅することになる。

貴族や王族の元へ、オークションにかけられることも多かった。運が良かったのは深海に沈まなかったことだ。

搬入される道中で盗賊に襲われてしまい、様々な経緯を経てエルフの彫像は最終的にゴブリンキングの献上品になっていた。

醜悪なゴブリンキングの横で、ローレライは一生を彫像で終わると諦めていた。

年月が経ったある日、ゴブリンキングの断末魔が聞こえる。その後自分を解放する存在が現われた。

自分自身を呪いの彫像から解放してくれた人物、スノウ・ノクティスである。


こんにちは。今回の小説は前回に引き続き1週間での投稿となっています。

午前中は子どもの習い事の送迎や髪切りに行ってバタバタしていました。

珈琲を飲みながら小説を書いていましたが、家の中がうるさくて文章がまとまらず。

何とか投稿しています。夜書いた方が良いかもと反省。

次回は2週間後を予定していますが、zoom会議と重なるかもしれません。

頑張って投稿予定です。よろしくお願いします。

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